『カムカムエヴリバディ』濱田岳がはみ出し者の兄を好演 初代ヒロイン上白石萌音も登場

『カムカムエヴリバディ』上白石萌音が登場

 「小豆の声を聴けえ。時計に頼るな。目を離すな」「食べる人の幸せそうな顔を思い浮かべえ。おいしゅうなれ、おいしゅうなれ」。煮鍋に向かって杵太郎(大和田伸也)が語りかける。のれんの間から顔を出す安子(網本唯舞葵)。いつもと変わらない橘家の朝だ。

 連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)第2話。歳の離れた兄・算太(濱田岳)は、和菓子作りに興味がない。あんのはみ出た大福を前に「人間だって、ちょっとはみ出すぐれえが味があろうが」とつぶやく算太は、突然、ダンサーになると宣言。映画館で観たチャップリン『黄金狂時代』に触発されて、算太は「パンのダンス」ならぬ「おはぎのダンス」を安子に見せる。

 そんな算太に、杵太郎は「ダンサーいうのはおなごの仕事じゃ」と言い、父の金太(甲本雅裕)も「男あ、ダンサーにゃあなれんのじゃ!」と即座に否定。杵太郎や金太の言うダンサーは盛り場にあったダンスホールの踊り子を指す。朝ドラ『エール』(NHK総合)では、音楽の道を諦めかけた裕一(窪田正孝)がダンスホールに入り浸っていた。祖父と父の説得にも「嫌じゃ。わしはダンサーになる」と聞かない算太。見かねた安子が「もう怒らんといてあげて。私がお婿さんもらうから」と間に入るが、母の小しず(西田尚美)に「それはおえん」と止められる。ちなみに「おえん」は岡山弁で「ダメだ」の意味である。

 男性が家業を継ぎ、女性は家に入ることが当たり前だった時代。あんを外側にまとったおはぎと違い、男も女も、大福のあんのように分相応に収まらなくてはならなかった。跡継ぎとして育てられた算太は、早い時期に自分が和菓子職人に向いていないと悟ったのだろう。算太の思いに気付いていた妹の安子。「お兄ちゃん、おだんご作りょう時、いっこも楽しそうじゃねえもん」。そう話す安子の願いは「ずっとこの家で、甘えお菓子に囲まれて暮らせるんじゃったら、私ゃあうれしい」。しかし、その願いはかなわない。なぜなら家業を継ぐのは男で、女は仕事を選べなかったからだ。



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