『古見さん』吉川愛の万場木さんが切なすぎた第7回 「好きです……」の先にあるものは?
よるドラ『古見さんは、コミュ症です。』(NHK総合)もいよいよ大詰め。前回、只野(増田貴久)への思いに気づいた古見(池田エライザ)。第7話では、古見、さらに万場木(吉川愛)の思いが爆発する。
前回から登場した超絶ナルシスト系男子・成瀬詩守斗(城田優)が頑なに友達を作ろうとしない、そのトラウマが「なんでもいいよ」の発言にあることが描かれる中、この第7回でフォーカスされているのは古見、万場木のそれぞれの思いだ。
高橋克実によるナレーションで浮かび上がってくるのは、古見が初めて出会う様々な感情。それは只野と自分の知らない関わりがない人とが話していることで味わう「嫉妬」、好きを意識しすぎてなかなか「ありがとう」の一言が出てこない気恥ずかしさ。語りがドラマに介入し過ぎるのも時に作品自体を壊しかねないが、人付き合いが苦手な古見がヒロインであるこの作品に至っては、ナレーションは重要な役を担っている。それは作品自体のサポートであり、我々視聴者と同じ彼らを見守る目線でもあるだろう。
ただ、ナレーション以上に気持ちが伝わってくるのが、俳優一人ひとりが演じるセリフ、そして表情だ。なじみ(ゆうたろう)に背中を押され、只野に文化祭を一緒に回りたいと誘うことを決心した古見だったが、そこには万場木と仲良く話す只野がいた。嫉妬、劣等感。さっきまで恋する楽しさを隠しきれないといった表情だった古見が、諦めにも似た悲しげな顔つきに変わっていく。只野と文化祭が回れることになった万場木に、友達として「良かったです」と本音と相反する言葉をかける古見の表情も切ない。
青春を象徴する花火を同級生みんなで楽しむシーン。只野が「線香花火はどうですか?」と古見を誘う。前回、古見からの「もう……大丈夫です……」を拒絶の意思と捉えてしまった只野。2人の間には今まで以上にどこかドギマギした距離感が開いていた。古見を誘う只野に珍しく緊張の色が見える。暫くして古見から返ってきたのは、「好きです……」の一言。気まずい時間を埋めるように只野が一人自問自答をしていたため、その問いかけは薄くなり、結果的に古見が突如「好きです……」と言い出したようなタイミングに。只野が一瞬、勘違いしたことは誰にもお見通しだが、目を見開き自分でも驚いたような表情を見せる古見からは本心が漏れ出てしまったのではないかとも取れる。