『おかえりモネ』未知が新たな決断? きれいごとで終わらない“誰かのため”

『おかえりモネ』未知が新たな決断?

 「どうして気象予報士になろうと思ったんですか?」。中学生のあかり(伊東蒼)の質問に百音は「人の役に立ちたかったから」と答える。『おかえりモネ』(NHK総合)第21週は「胸に秘めた思い」。第102話では、ラジオブースの外で、心の中にしまっていた思いがもれ出した。

 並んで座るあかりと百音(清原果耶)。「きれいごとっぽい」と返したあかりに、百音は驚きながらも、「あなたの言ってることは正しいんだと思います」と答える。百音が驚いたのは、あかりの反応が亮(永瀬廉)のそれと同じだったから。きれいごとと言われて冷静に返せるのは、菅波(坂口健太郎)とのやり取りを通して、自分を客観視できるようになったこともあるだろう。あかりの問いはかつて百音が菅波に訊ねたことで、聞く立場から聞かれる立場になった百音に、あかりは大事なことを伝えているように見える。

 初対面で会話が弾まない百音とあかりだが、決して居心地が悪いわけではない。その証拠に、悠人(高田彪我)に以前からの知り合いかと聞かれるほど。沈黙を破るように、年長の百音が話題を振る。気仙沼を5年半離れていたことや、地元にいられない心境だったこと。「いろいろあったから」とつぶやく百音に、あかりの返答は「私は6年いなかった」。2人を結び付ける共通点がうっすらと浮かび上がってきた。あかりが感情を表に出さないのはわけがあると思われるが、あかりとの出会いが百音をどう変えていくか注目したい。

 あかりと対照的に、未知(蒔田彩珠)と百音は一緒に育って互いを知っている難しさもあるが、やはり姉妹だと感じる。営業終了後の市民プラザで、酔った妹に水を差し出すところから姉妹の会話はスタート。亮と会っていた未知。「海から戻るといっつも会ってるの?」。「でもいっつもこっちから。船、港に入る日わかるから。連絡すると普通に来てくれる」。「帰りを待っててもらえてるみたいで、嬉しいんじゃないかな」。「でも、いっつもこの時間に帰される。わかんない、もう。何年経ってもわかんない」。

 進展しない亮との関係。悠人と三生(前田航基)が話していた「微妙」はこういうことだった。「勝手にずっとそばにいて、助けてあげたいなんて思ってきたけど、向こうは好きな人とか大事な人とか、本当にいらないと思ってるのかもって」。美波(坂井真紀)を失ってから、亮は表向き快活を装ってきたが、本心は胸の奥に押し込めていた。「だって怖えじゃん、死ぬほど好きで大事な人がいるとかさ。その人が目の前から消えたら、自分が全部ぶっ壊れる」。未知が「怖くて聞けない」のは、自分が亮の大事な存在ではないと知ることへの恐れもあるが、津波を直に体験し、亮の辛さがわかるがゆえの沈黙でもある。亮も未知の思いをわかって踏み込めないのは、優しさでもあり、その根底に失うことへの恐怖がある。大事な人を救えなかったという絶望が目の前の相手への壁になっていて、亮も未知もそこから一歩も動くことができずにいる。



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