『東京リベンジャーズ』場地圭介の魅力は信念を貫く姿勢 水中雅章の声もポイントに

 2021年4月よりテレビ東京にて放送中の『東京リベンジャーズ』(以下、『東リベ』)。不良×タイムリープ×サスペンスといった今までにないジャンルで話題沸騰中の作品だ。続々と登場する魅力的なキャラクターたちに加え、先の読めぬ展開で視聴者の心をガッチリと掴んでいる。

『東京卍リベンジャーズ』

 アニメは原作に忠実なストーリー展開で、既存ファンも納得いくほどの出来栄えだ。躍動感溢れる抗争シーンの迫力は臨場感たっぷり。映像ならではの良さを味わえるため、東卍にとって大きな転機となった「血のハロウィン編」を観ずに『東リベ』アニメ版は語れないことだろう。

 さて、「血のハロウィン」のキーマンといえば場地圭介だ。

 東卍で唯一無二の存在感を誇りながら、登場後すぐに芭流覇羅(バルハラ)へと寝返った衝撃的なキャラクター。まだ彼の素性が明かされていない段階での裏切り、これには困惑した視聴者もきっと多くいるはずだ。

 けれども場地の芭流覇羅入隊は計画通りで、稀咲鉄太を炙り出すためにわざと行ったこと。チームを守るため自らが犠牲となったのである。黙秘を続けながら1人で戦い抜いていたのも、周りを巻き込まないための計算があったから。千冬は気づいていたが、それでも自分の信念を曲げることなく真っすぐと進み続けたのである。

 そもそも場地は東卍の創設メンバーで、彼の一言でチームは結成された。メンバーの役割を取り決めたのもそうで、まさに“縁の下の力持ち”的ポジション。派手に目立つタイプではないけれど、どっしりと構えた雰囲気にはつい目を奪われてしまう。

 クールな見た目で性格もクレイジー、側から見ていると少々近寄り難い印象があるが、実は自ら悪者になってでも仲間のために戦うことができるキャラクターなのだ。だからこそ千冬のように場地を慕う後輩がいることも頷ける。

 場地は千冬が初めて“先輩”として慕った存在だった。場地が息を引き取る直前、千冬に「ペヤング、半分コ な?」と話しかける場面がある。“半分コ”は二人が先輩/後輩として仲を深めたきっかけでもあり、彼らを繋ぐ言葉でもある。この一言だけで、二人が築き上げてきた関係性を感じ取ることができるだろう。だからこそこの言葉は涙なしで聞くことができない。最初から最後まで、守るべき信念を貫いた場地圭介には最も相応しい最期であった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる