『賢い医師生活』S2第12話、大団円のハッピーエンドに? それとも「反転の反転」か

『賢い医師生活』S2はハッピーエンド?

 2シーズンを通して最長尺121分の第12話は、ユルジェ病院に訪れる日常の夕暮れのように帳が落とされる。シン・ウォンホ監督によると、第12話は「反転と結末」(参考:https://www.soompi.com/article/1488931wpp/pd-shin-won-ho-shares-key-point-for-final-episode-of-hospital-playlist-2)だという。このエピソードで描かれたものはほぼ反転で、公開されたポスターの2枚目も反転バージョンという徹底ぶり。

 緊急手術に向かうソンファ(チョン・ミド)がジョンウォン(ユ・ヨンソク)に車の駐車を頼み、カラオケに誘うジュンワン(チョン・ギョンホ)以外全員デートの約束がある。元妻を母から離すために海外留学を勧めたソッキョン(キム・デミョン)が自分の米国研修ネタを保険として仕込み、恋するイクジュン(チョ・ジョンソク)の耳にはソンファの音痴も反転して聴こえる。最も大きいのは、5人をユルジェ病院に呼びよせバンドを再開させたジョンウォンが下す決断。「医者を辞める」と嘆き続け、イタリアに行き神父になるつもりだったジョンウォンが、医師の職務を研磨するために海外へ飛び立つことも含め、物語の始まりが反転する。晴れやかな顔で夕日を見つめる彼らが抱える問題はまだ解決されぬまま残されているのだが……。

 さらには、ドラマをまたいだ反転というオチもついてくる。チーフレジデントのジェハク(チョン・ムンソン)のもとに、S1の不動産詐欺の真犯人が捕まったという報が入る。『賢い医師生活』と同じシン・ウォンホ監督による『刑務所のルールブック』でチョン・ムンソンが演じたのは、冤罪で収監された弟の再審を求め奔走する兄。『刑務所のルールブック』で号泣するのが弟のユ大尉役のチョン・ヘインで、法廷で罪を明らかにするのとは真逆の結末を迎える。

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 そもそも、このドラマは人生の折り返し地点に近づいた不惑の5人の物語なのだ。ポン先生のサロンで語られた5人の欠点は視聴を進めるごとに裏返り、最終話では今まで見せていなかった一面が見られる。脳神経外科医のソンファの患者たちは、一枚のガラスを隔て生と死が隣り合わせる。医師の判断でカルテが反転し、1本の電話で180度変わるのが人生。1999年のソンファの誕生日と2021年のイクジュンの誕生日は、一瞬にして幸せな1日が悪夢のような日になる。第5話の予告編は、逆の文脈で発せられる台詞をつなげたミスリードだった。

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