『おかえりモネ』百音と菅波に3年半の月日が流れる “マモちゃん”こと内田の変貌も健在
百音(清原果耶)が東京に来て3年半が経った。2019年9月、百音たちがずっとサポートを続けてきた車いすマラソン選手の鮫島(菅原小春)のパラリンピック代表選考会が始まる。朝岡(西島秀俊)から「サポートは万全でしょ?」と言われた百音は、自信に満ちた表情で「気象条件はそろっています。勝ちます」と答えた。NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』が第18週初日を迎え、百音は新たな一歩を踏み出す。
鮫島は国際大会の代表の座を手にした。“汐見湯”にやってきた鮫島は、パラリンピック出場後は引退し人の役に立ちたいと口にし、百音を驚かせる。「私だってずっと思ってます。誰かの役に立ちたいって」と百音が返すと、鮫島は「そうや。大人こそ、てれずに言ってかなあかんねん。そういう熱い思いは」と明るい表情で笑った。鮫島の言葉は、今後どこかで百音の背中を押してくれるはずだ。
夜中、百音の元に菅波(坂口健太郎)から電話がかかってくる。百音は、菅波が仕事で悔しい思いをしたことを察した。「何も言ってないのによく分かるね」という菅波に、百音は「声でもう大体分かります」と話す。登米の診療所に専念することに決めた菅波とは距離が離れてしまったものの、二人の静かなやりとりから、お互いの気持ちを受け止められる良好な関係が続いていることがわかる。電話を切った後、百音は菅波の声が聞けて安心したかのように微笑んだが、菅波は何か考え込んだ表情で落ち着かない。もう一度電話をかけた菅波は、何かを決心したかのように「来週、東京行きます」と百音に伝えた。
莉子(今田美桜)は菅波がプロポーズすると予想。そんな中、内田(清水尋也)が百音と莉子の二人に一般の人から天気の情報を集めるアプリを見せる。このアプリは、物語冒頭で朝岡(西島秀俊)が野坂(森田望智)に見せていたもの。言い伝えとともに山の中の写真を載せた情報に、莉子は“ゆるふわな投稿”が役立つのかと懐疑的だが、森林組合で働いてきた百音の経験が今後活かされることはずだ。「空と海と山はつながっている」のだから。物語の終わりには、社長の安西(井上順)の前で新事業の提案をする百音の姿が。アプリと新事業、そしてこれまでの百音の経験がどうつながっていくのか楽しみだ。
なお、先週SNS上で話題となった“マモちゃん”こと内田の変貌も健在。明日美(恒松祐里)が育て過ぎた結果、内田は各方面からモテてしまう。しかし内田は、拗ねる明日美に「僕はスーちゃん以外に興味ないよ?」とサラリと言ってのけた。「おぉ……。ここで言えちゃうとこが内田君だよね」との野坂の言葉にうなづいた視聴者も少なくないだろう。
■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK