佐藤栞里、『TOKYO MER』喜多見涼香役で好演 抜群の共感力で今後の女優業にも期待
9月13日に最終回を迎える『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(TBS系)。前回は大学でのテロ爆破の緊迫感、SNSの拡散情報に振り回されないことなど、多くの見どころがあった。しかし、何よりたくさんの視聴者の心を掴み、悲しませたのは、佐藤栞里演じる喜多見涼香の死だ。
鈴木亮平演じる喜多見幸太の妹であり、『TOKYO MER』の癒しキャラとしてこれまでの話でも存在感を発揮してきた涼香。なんとこれが連続ドラマ初出演というのを忘れてしまうほど、佐藤栞里の自然な演技に驚いてしまう。彼女は以前『コウノドリ』(TBS系)にゲスト出演した際に、妊娠5カ月の体で旅行がしたいとサクラ(綾野剛)に相談する根岸若菜役を演じていた。しかし、それ以外には特に演技経験のない彼女が、多くのベテラン勢が揃う日曜劇場で、一切浮かないどころかドラマ全体に良いトーンをもたらしていた。
吹き替え声優としての活躍
佐藤栞里の演技経験を振り返った時、『コウノドリ』出演の他に挙げられるのが、吹き替え声優としての活躍だ。2016年に公開されたイルミネーション作品『ペット』では、主人公の犬マックスの飼い主ケイティを好演。初の吹き替え挑戦ということで、当時は「初めての経験でドキドキしましたし、(声優)は夢だったのでちょっとウルウルもしちゃいました」と、感激ぶりを表現していた。続編の『ペット2』でもケイティ役を続投した。そのほか『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』(2017年)では、サトシと旅をともにするトレーナー、マコトを演じていた。男勝りで活発なマコトの声色に、ハキハキとして綺麗な発音をする佐藤の吹き替えが非常によく合っていた印象だが、こういったところでも彼女の“MC力”が発揮されているように思える。
モデルにバラエティ、多岐にわたる“兼任力”
現在すっかり『王様のブランチ』(TBS系)6代目女性MCの顔として活躍する彼女は、『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)で2013年から現在にかけてサブMCを務め、他にも『有吉の壁』で2015年からアシスタントMCとして活躍。『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)にも火曜レギュラーとして出演していて、人気番組『王様のブランチ』への抜擢も納得の経歴の持ち主なのである。もともと、『週刊少年ジャンプ』をはじめとした集英社の漫画雑誌を取り上げる番組『サキよみ ジャンBANG!』(テレビ東京系)で担当コーナー「ジャン魂G!(ジャンプ魂)」を持っていた経験が生かされているのだろう。しかし、佐藤栞里のすごいところは、上に挙げた番組MCを現在も全て兼任していることにある。
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もともとモデルとしてキャリアを築き始めた彼女だが、先に紹介した『ジャンプ魂』のアシスタント抜擢後に『non-no』の専属モデルになるなど、表に出て話す仕事と誌面での活動を良い塩梅で行ってきた印象が強い。特にモデルとしての存在感を高めた『non-no』の卒業以降、2012年からは『MORE』に『mini』、『sweet』『ar』『Soup.』と数多くの雑誌でレギュラーモデルを“現在進行形”で務めている。一つ一つの雑誌にレギュラーで在籍しては卒業し、移籍していくのが一般的なのに、番組MCに限らずモデルとしても今何本の仕事を抱えているのか計り知れない。文字通り“引っ張りだこ”なのである。その背景には、おそらく彼女の人柄の良さもあるのだろう。MCを務める番組で見せる屈託のない笑顔が印象的で、常に楽しそうなオーラのある佐藤栞里。まさに“誰にでも好かれるタイプ”な彼女が、今後女優として大いに期待できる理由も、そこにある。