シン・ミナ×キム・ソンホ『海街チャチャチャ』は月9感満載 爽やかヒューマンドラマに期待大

『海街チャチャチャ』の爽やかな魅力

 tvN放送の新ドラマ『海街チャチャチャ』がついに8月28日よりNetflixで配信を開始した。

 シン・ミナとキム・ソンホがダブル主演を務める本ドラマは、韓国での初回放送視聴率が地上波を含む全チャンネルで同時間帯1位を占め、本国でもかなり注目されていることがわかる。土日に2話ずつ更新されていく予定の全16話となる『海街チャチャチャ』、さっそく1話と2話を振り返りながら、ドラマの魅力を紹介しよう。

シン・ミナ演じる主人公が田舎街で新生活

 主人公は34歳、バリキャリの歯科医として成功を収めているユン・ヘジン(シン・ミナ)。美人で高収入というハイスペックなのに、ちょっと高飛車で人とのコミュニケーションが苦手だ。人付き合いを面倒くさがる彼女は、冒頭からお隣さんが好意で手作りのご飯をお裾分けしようとするのを断ってしまう。しかし、お客さんには高額にならないような適正価格での治療を案内するなど、彼女なりの優しさと正義を持っているのだ。だからこそ、高額な値段をふっかけたい医院長とバトルになってしまい、クビになる。狭い業界なので歯科医としての再就職が難航するなか、彼女が訪れたのは亡き母との思い出の地でもある田舎の漁村、コンジン洞だ。そしてひょんなことから、この街に歯科医院がないことを知ると、思い切って開業することにするヘジン。このドラマはそんな彼女の、不器用で困惑してばかりだけど、どこか温かいセカンドスタートを描いている。

 設定自体とても前向きだが、やはり特筆すべきは新天地となるコンジン洞の風景美。青い海に綺麗な砂浜が、物語にさらなる清々しさをもたらしている。いつまで見ていても癒される景色に、都会で神経を尖らせ続けてきたヘジンもホッとしている様子。とはいえ、シティガールの彼女を次々と襲う田舎町あるあるに腹を立てることも少なくはない。そんな彼女を迎える街の人々の親切さと、ちょっとのお節介がドラマに人間味をもたらしている。決してスローテンポになることなく、次々に老若男女のキャラクターが登場し和気あいあいと心地よいリズムで会話が進むという見やすさも魅力的。まさに、ヒーリングロマンスドラマと謳われるだけある。

月9を彷彿とさせるキム・スンホの雰囲気

 ロマンスの部分で登場するのが、何でもできるホン班長ことホン・ドゥシク(キム・スンホ)。ありとあらゆる専門的な資格を持つ彼は、時には漁を手伝い、時にはお年寄りの面倒を見て、時にはサウナの売店で働く。漁村で必要とされれば、いつでもどこにでも駆けつけ何でもするという、いわばよろず屋みたいな存在だ。しかも彼はその対価として最低賃金しか受け取らないことにこだわったり、無償のボランティアとして手伝ったりと人助けを厭わない。そんな彼に出会ったヘジンは、出会い頭から余裕があってひょうひょうとしているホンのことが気に食わない。1日に何度も偶然に出会っては、彼女の痛いところを突いたり、かと思いきや助けたりと自由に振り回してくるホン。なんでもできて頼りがいがあるだけでなく、老若男女に思いやりを持って接する優しい心が魅力的だ。まるで2000年代のキムタクが演じていそうな役柄と、勝ち気で高飛車なヒロインという組み合わせ、そして楽しくて丁寧なヒューマンドラマという作品性がひと昔前の月9を彷彿とさせるのだ。

 ドラマの雰囲気にも合う爽やかなキャラクターに調子が狂うヘジン、二人の掛け合いのズレも見ていて楽しく、何よりすでに恋の矢印が片方から向かっていそうな感じにテンションがあがってしまう。

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