『おかえりモネ』坂口健太郎だからこそ成立した菅波 「#俺たちの菅波」も毎朝トレンドに

「#俺たちの菅波」の熱狂ぶり

 百音(清原果耶)と菅波(坂口健太郎)の縮まりそうで、なかなか縮まらなかった2人の微妙な心の距離。東京で偶然の再会を果たしてからは、明日美(恒松祐里)や菜津(マイコ)に見守られながら、本当にゆっくりではあるがその距離を縮めてきた。

 『おかえりモネ』(NHK総合)第14週では、百音の父・耕治(内野聖陽)と祖父・龍己(藤竜也)が東京にやってきたことで百音と菅波の関係にも変化があった。SNSでは「#俺たちの菅波」が毎朝トレンドに入るほど、さらなる盛り上がりを見せている。

 第14週では大きな変化が3つあった。1つ目は、初めて菅波が百音を食事(蕎麦屋)に誘ったこと。百音も戸惑っていたが、SNSも同様にざわついた。2つ目は3回牡蠣を食べて3回とも牡蠣にあたり、牡蠣を食べられない菅波が百音の祖父が育てた牡蠣を「おいしい」と食べたこと。3つ目は、父や祖父が上京したことで時間をとらせてしまい心配した百音が「先生、寝てください」と言ったことに対して「あなたも」と菅波が答えたこと。「永浦さん」ではなく「あなた」という優しい呼びかけに百音の表情も穏やかに微笑んだ。

 そもそも、初対面の相手への挨拶も苦手なのに、苦手なりにも誠実な対応を耕治や龍己に見せたことに菅波の成長というか、百音から受ける影響の大きさが感じられる。

 大きな変化として挙げた菅波の食事のお誘いは第67話で描かれた。コインランドリーで百音と一緒になり、近所の蕎麦屋に誘ったのだが、理屈っぽくて、言い訳口調になりがちな菅波は、洗濯機が回っている間だけ「48分。で戻りましょう」と真顔で言う。正確に「あと47分です」と言い直し、いそいそと出かける2人。

 その様子をこっそり伺い、見送った明日美は「お蕎麦屋さんくらい普通に行け」とため息をついた。ある意味、洗濯の時間があるからきっかけを作れたということもあるが、真面目すぎる2人の恋の進展は、周りで見ていてとにかくじれったい。

 以前、東京で百音と再会した直後の第55話でも、菅波は洗濯の時間を言い訳にして彼女の悩みを聞いたことがあった。「あと11分です。洗濯が終わるまで、僕はここにいなきゃいけない。ついでに聞きますよ」と、最初に時間設定をしたせいで、百音の言葉の途中で洗濯機のブザーが鳴ってしまった。結局、気まずい沈黙が流れ、百音の「私、先生にずっと会いたかっ……」という言葉は最後まで聞けないままだった。

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