『ナイト・ドクター』が剥がす医療ドラマのレッテル ホームレスをめぐる時事的なテーマも

『ナイト・ドクター』が剥がす社会のレッテル

 幸保(岡崎紗絵)から合コンに誘われて一度は断るものの、元恋人の大輔(戸塚純貴)が結婚することを知ったショックで参加を決意した美月(波瑠)。しかし自分たちを看護師と偽ろうとした幸保の作戦とは裏腹に、医師であり、しかもナイトドクターであると明かしてしまう美月。それを知った男性たちの態度はすっかり一変するのである。そんな夜、搬送されてきた少女の父親から、夜間の医師は経験が浅いからと言われ緊急手術を断られてしまい、さらに苛立ちを募らせる幸保。そして合コンに参加していた赤松が原因不明の高熱で外来にやってくるのである。

 8月16日に放送された『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)第7話は、ナイトドクターという職業性をひとつのスタートラインにしつつも、その枠を超えたより広い視点で社会に蔓延るさまざまな“レッテル”へとフォーカスする。それはある意味、医療ドラマというひとつのレッテルをきれいに剥がしたものとも捉えることができようか。

 合コンシーンに登場する男性たちが露呈する看護師女性への理想もしかり、保育士が女性の仕事だと思われがちだというレッテルに縛られて公務員であると嘘をついてしまう赤松もしかり。またネットの知識を鵜呑みにし、頑なに日勤の医師の治療を受けさせようとして娘の容体をさらに悪化させてしまう父親の姿もしかり。性別や職業、境遇など、ありとあらゆるレッテル、もっとかいつまんで言えばイメージにがんじがらめにされた人々の姿が、このひとつのエピソードの中にぎっしりと詰め込まれていく。

 それは期せずしてタイムリーなテーマとなってしまった、ホームレスの男性(神尾佑)をめぐる一連のくだりも同様であろう。いくつもの病院から受け入れを拒否されるたらい回しに遭い、あさひ海浜病院で受け入れが決まると、患者の命を助けたいと願う救急隊員の星崎(泉澤祐希)は思わず喜びのシャウトをしてしまう。その男性は第1話で深澤(岸優太)と美月が最初に出会った際に階段から転落したホームレスであり、死への欲求を強く持っている人物として描かれながらも深掘りされずにいた存在だ。今回美月は、星崎に頼んで過去の搬送記録を調べてもらい、その男性は濱辺という名を持ち、10年前に家族を失ったというバックグラウンドを知ることになる。



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