杉咲花×市川染五郎、コンプレックスの解消法は? 「挑戦することが大事」
染五郎「コンプレックスしかないです(笑)」
ーーお二人の声の演技はもちろん、アニメーションや少し変わった設定も作品の魅力です。
杉咲:色味も明るくて、眩しいくらいにカラフルで、青い空に白い雲が画面いっぱいに広がっているんです。「夏」を感じて、すごく元気をもらえると思います。
染五郎:俳句がテーマというのがすごくいいなと思って。それこそ僕がやっている歌舞伎や、俳句のような、日本の昔からの文化をあまり知らない方や、海外の方にも観てもらいたいです。日本人であることに誇りをもてる作品だと思います。
ーーお2人が演じるキャラクターはそれぞれコンプレックスを持っていますが、お2人にコンプレックスはありますか?
染五郎:コンプレックスしかないです(笑)。自分は、声変わりが小学5年生くらいに始まって、今は高い声があまり出ないのが、コンプレックスというか悩みなんです。歌舞伎をやるときは、高い声も低い声も両方使わないといけないので、早く声変わりが終わってほしいです。
杉咲:スマイルは自分の歯が出ていることを気にしているキャラクターなんですが、わたしも前歯が出ているので、なんだかとても共感できました。
ーー本作の出演を通して気づいたことはありますか?
染五郎:13歳の頃に、シェイクスピアの『ハムレット』という作品の朗読をしたことがあって、それが初めての声のお芝居だったんです。そのときに、「声だけのお芝居は二度とやりたくない」と思って。このお話をいただいたときに、その当時のことを思い出したんです。やっぱり、挑戦することが大事だと本作を通して改めて感じました。僕が演じるチェリーも、コミュニケーションが苦手という自分のコンプレックスに、スマイルとの出会いを通して向き合っていくので、きっと観ている方も僕と同じ気持ちになってくれると思います。
杉咲:チェリー自身のコンプレックスである声を、スマイルが「可愛いと思う」と言うシーンがあって。自分にとって恥ずかしいと思うものが、誰かから見ると素敵だったり、憧れだったりすることがあるんだなと改めて感じて、とてもポジティブな気持ちをもらいました。コンプレックスを抱えている人にとっても、勇気をもらえる作品になっていると思います。
■公開情報
『サイダーのように言葉が湧き上がる』
全国公開中
出演:市川染五郎、杉咲花、潘めぐみ、花江夏樹、梅原裕一郎、中島愛、諸星すみれ、神谷浩史、坂本真綾、山寺宏一
原作:フライングドッグ
監督:イシグロキョウヘイ
脚本:佐藤大
キャラクターデザイン:愛敬由紀子
音楽:牛尾憲輔
アニメーション制作:シグナル・エムディ×サブリメイション
製作:『サイダーのように言葉が湧き上がる』製作委員会
配給:松竹
(c)2020フライングドッグ/サイダーのように言葉が湧き上がる製作委員会
公式サイト:cider-kotoba.jp
公式Twitter:@CiderKotoba