スカーレット・ヨハンソンのディズニー提訴、事態は深刻化 コロナ禍で契約形態も変わる?

スカヨハのディズニー提訴、事態は深刻化

 スカーレット・ヨハンソンのディズニー提訴の報道は、映画界に大きな衝撃を与えた。ヨハンソンは、『ブラック・ウィドウ』が劇場限定公開という前提でマーベルとの契約を締結したが、「ディズニーがマーベルの契約違反を誘発した」としてディズニーを提訴。ヨハンソンは劇場興行収入に基づいて報酬を受け取る契約だったが、ディズニープラスでの同時公開により推定5,000万ドル以上の損失が発生したと主張している。一方のディズニー側は強く反論。ヨハンソンとの契約は遵守しており、ディズニープラスでの『ブラック・ウィドウ』配信にあたって報酬も上がっていると説明しており、事態は泥沼化の様相だ。

 マーベル・スタジオの社長であるケヴィン・ファイギは、ディズニーの対応に「怒りと恥」を感じており、ヨハンソンとの関係修復において十分な対処をしなかったと述べたとの報道も。ファイギはもともと『ブラック・ウィドウ』の公開を劇場に限定するようディズニーに働きかけていたという(参照:Marvel’s Kevin Feige Reportedly ‘Angry and Embarrassed’ at Disney Over Scarlett Johansson Lawsuit|IGN)。

 加えて、多くのファンがSNSなどでヨハンソンへのサポートを表明。同様の形態での公開となった『クルエラ』主演のエマ・ストーンもディズニー提訴を検討しているという報道もあり、しばらくディズニーとその作品キャストの動向を見守る日々が続きそうだ。

 ライターの久保田和馬氏は、今回の報道について次のように語る。

「まずハリウッドでは、出演料に加えて興行収入に比例したボーナスが出るような契約をするシステムがオーソドックスです。アメリカはとにかく契約第一の社会ですので、ギャランティに限らず、撮影現場での待遇などについても事細かに明文化してから出演契約を結ぶというのは珍しくなく、そこが日本とは少々異なるところかもしれません。ですので細かければ細かい分、報道されないような範疇で何らかの契約不履行が発生すること自体はこれまでも多くあったと思います」

 一方、今回のようなギャランティに関するトラブルはあまり耳にしたことがないと久保田氏は続ける。

「そもそもギャランティをめぐるトラブルとなれば、ほとんどの場合、提示額を支払ってもらえなかったというケースが多いでしょう。そうではないケースとしては、2006年に『ブロークバック・マウンテン』のランディ・クエイドが契約内容をめぐって訴訟を起こしたことがありました。それはローバジェットで作られる予定だった作品が大きくなったことに起因するもので、今回のケースとは少し異なるものです。今回のような最初からビッグバジェットの作品で、ギャランティを巡るトラブルが発生したケース、それがこうして大々的に報じられることはあまり多くはないんじゃないでしょうか。ただ、報道のされ方では俳優と製作サイドのギャランティをめぐるトラブルに見えてしまいますが、ヨハンソン自身は『ブラック・ウィドウ』にエグゼクティブ・プロデューサーとして参加していて、『クルエラ』のエマ・ストーンも同様です。そうなると、これは個人的な利益を求めての話ではなく、他のキャストやスタッフの権利を守るための動きとも考えることができるでしょう」



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