Netflixチーフ、クリストファー・ノーラン監督の新作獲得に「できる限りのことをする」
Netflixの映画チーフであるスコット・スターバーが、Variety誌のインタビューでクリストファー・ノーラン監督のNetflixでの次回作公開を目指していると語った(参照:Netflix’s Film Chief Scott Stuber Is Shaking Up Hollywood: ‘The Movie Business Is in a Revolution’)。
2017年当時、ノーラン監督は、Netflixのために映画を作ることはないと断言し、ストリーミングサービスの日にち指定のリリース戦略を“mindless(マインドレス)”と呼んでいた。その後、自身の発言について「もっと丁寧にすべきだった」と謝罪したが(参照:Christopher Nolan privately apologized to Netflix after calling its movie strategy 'mindless'|INSIDER)、ストリーミングでの公開と劇場公開を同日に行うデイ&デイト・リリース戦略は、自分には向いていないという主張自体は貫いている。
これまでもノーランは、スティーヴン・スピルバーグやJ・J・エイブラムスなどの映画製作者たちを集めて、スタジオに年間一定量のフィルムストックの購入を約束させ、コダックのビジネスを維持するなどフィルムに強いこだわりを持っていることでも知られている。
しかし、コロナ禍の今、2017年当時の状況とは大きく異なっており、最新作の配信サービスでの公開も珍しくなくなった。コロナ禍に公開されたノーラン監督の新作『TENET テネット』はこれまでの作品の興行収入を下回っていることも多く報道されてきた。
スターバーは、ノーランがNetflixで次回作を制作するよう説得に本格的に動き始めるようだ。前述のインタビューでは、「彼(クリストファー・ノーラン)が次回作を制作する際には、我々がその作品のホームになれるのか、そのためには何が必要なのかを考えます。彼は素晴らしい映画監督です。私はできる限りのことをするつもりです。このビジネスでは、エゴを一切持たないことが必要だと学びました。殴られても倒されても立ち上がる」と、強い意志を表明。ノーラン監督の新作はまだまだ先になりそうだが、もしかしたらそれはNetflixで観ることになるかもしれない。