堀家一希、眞栄田郷敦、清水尋也 『東京リベンジャーズ』を過熱させる3人の男に注目

『東リベ』堀家一希、眞栄田郷敦らの存在

ハンマ(清水尋也)


 本作でもっとも驚かされたのが、“ハンマ”を演じる清水尋也だ。なぜならば、メインキャラクターの一人としてクレジットされ、ポスタービジュアルに登場していながらも、ほとんど姿を見せないからである。ほかの面々との絡みもないため、セリフもほぼないに等しい。本作から感じ取ることができる「熱さ」とはほど遠い人物なのだ。しかし、非常に含みのある登場の仕方をするため、彼が裏で何かをやっているのは感じられる。つまり、表向きは「熱さ」と無縁でありながら、「熱さ」が生まれるのに一枚噛んでいるわけだ。出番がかぎられていながらも、この説得力を佇まいに宿すというのは誰にでもできることではないはず。ここは、「さすが清水尋也」である。清水といえば、弱冠22歳にして豊富なキャリアを誇る、引く手数多の若手俳優。硬軟自在な高校生役の数々から、カリスマ性あふれる青年にいたるまで、どんな役でもモノにしてしまう。毎度感心させられるのが、特異なキャラクターであれ、素朴な人物であれ、“清水尋也色”がしっかりと出ること。それでいて作品の世界観に違和感なく溶け込んでいるのだから、「さすが」なのである。今回のハンマ役でも、それが有機的に反映されているのだ。朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)でも本格登場し、これまたハンマとは真逆の人物に扮している。どのような色を出していくのだろう。

 さて、ここでは『東京リベンジャーズ』に登場する三人のキャラクター/俳優にフォーカスしてみたが、続編はあるのだろうか。あるのだとしたら、どれくらい先のことなのだろうか。時が経てば経つほどに彼ら個々の力は増すのだろうが、とにもかくにも、早く、再び、パーちん/堀家一希、ミツヤ/眞栄田郷敦、ハンマ/清水尋也の姿をスクリーンで観たいものである。

■公開情報
『東京リベンジャーズ』
全国公開中
出演:北村匠海、山田裕貴、杉野遥亮、今田美桜、鈴木伸之、眞栄田郷敦、清水尋也、磯村勇斗、間宮祥太朗、吉沢亮
原作:和久井健『東京卍リベンジャーズ』(講談社『週刊少年マガジン』連載中)
監督:英勉
脚本:高橋泉
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)和久井健/講談社 (c)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会
公式サイト:tokyo-revengers.jp
公式Twitter:@revengers_movie
公式Instagram:@revengers_movie

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