『東京リベンジャーズ』ヒナ&ナオトにみるキャスティングの妙 実写版とアニメ版を比較

『東リベ』ヒナ&ナオト、実写とアニメ比較

 『東京リベンジャーズ』のヒロインが“ヒナ”こと橘日向である。男子メインの本作における数少ないレディースであり、主人公のタケミチが命がけで守ろうとするヒナは本作の中心にいるキャラクターだ。

『東京リベンジャーズ』キャラクター映像【タケミチ(北村匠海)・ヒナタ(今田美桜)編】

 ヒナはタケミチの記憶の彼方にいる人物として登場する。タケミチがヒナと“再会”するのはテレビの画面を通してだった。半グレ集団「東京卍會(東卍)」の抗争に巻き込まれて亡くなったのがヒナで、タケミチはタイムリープした過去でヒナを救うために奔走する。

 原作者の和久井健が何度も筆を入れて完成させたというヒナは、ある種の理想化された女性像を体現している。タケミチがそのために命を捨てても惜しくないと思える相手には、男性だけでなく同性の読者も納得するような魅力が必要だ。可憐さと強さを兼ね備えたヒナの人物造形はこの要請に応えたものだ。

 「ヒナが男の子だったら、守ってあげるのに」というセリフに象徴されるように、ヒナはただ守られるだけの存在ではない。事実、アニメ第3話でタケミチを連れ出しに来たマイキーの頬をひっぱたき、第12話では、最後の力を振り絞って炎上する車内からタケミチを押し出した。そんなヒナを目にして、タケミチも未来を変えることを誓う。タケミチの精神的支柱がヒナなのである。

 アニメ版でヒナの声を担当するのは和氣あず未。今年3月に第15回声優アワードの新人女優賞を受賞した和氣は、『ウマ娘 プリティーダービー』のスペシャルウィークや『ブレンド・S』の桜ノ宮苺香役で知られる。アニメの王道キャラから『おしえて! ギャル子ちゃん』の見た目ギャルの女子高生まで、硬軟織りまぜたその守備範囲は広い。正統派ヒロインでありながら、理不尽に負けない強さを持ち合わせたヒナは、和氣の多面性が発揮される役と言えそうだ。

 劇場版の今田美桜は、抽象化された属性のヒナというキャラクターを効果的に演じている。今田といえば、はつらつとした役柄の印象が強いが、今作では抑えた雰囲気の中に芯の強さをのぞかせる。傷だらけのタケミチ(北村匠海)に見せる笑顔と包容力は、今田のこれまでにない一面を感じさせるものだ。

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