カンヌ映画祭、最高賞発表でハプニング? 濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』は4冠の快挙
フランス・カンヌにて開催された第74回カンヌ国際映画祭が、現地時間7月17日に閉幕した。
最高賞(パルムドール)に選出されたのは、長編デビュー作『RAW~少女のめざめ~』が日本でも好評を博したジュリア・デュクルノー監督の『Titane(原題)』。女性監督作品のパルムドール受賞は、第46回(1993年)のジェーン・カンピオン監督による『ピアノ・レッスン』以来の2回目に。なお、『ピアノ・レッスン』受賞時は、中国のチェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』との同時受賞だっため、女性監督作が単独受賞するのは初となった。
なお、授賞式冒頭では、今年の審査委員長を務めたスパイク・リーが、間違ってフライングで『Titane』のパルムドール受賞を発表してしまう一幕もあった。
また、濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』は、濱口監督と共同脚本を務めた大江崇允が脚本賞を受賞。日本映画の脚本賞受賞はカンヌ史上初の快挙となった。さらに、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞でも受賞を果たした。
そのほか、開催前から映画ファンの間で大きな注目を浴びていたレオス・カラックス監督作『Annette(原題)』も大きな反響を受け、カラックス監督は監督賞を受賞した。
俳優部門に目を向けると、女優賞が『The Worst Person in the World(英題)』のレナーテ・ラインスヴェ、男優賞が『Nitram(原題)』のケイレブ・ランドリー・ジョーンズに贈られた。
主な受賞結果は以下の通り。
第74回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門 受賞結果
パルムドール(最高賞)
『Titane(原題)』 ジュリア・デュクルノー監督
グランプリ
『Compartment No.6(英題)』ユホ・クオスマネン監督
『A Hero(英題)』アスガー・ファルハディ監督
審査員賞
『Memoria(原題)』アピチャッポン・ウィーラセタクン監督
『Ahed's Knee(英題)』ナダヴ・ラピド監督
監督賞
『Annette(原題)』レオス・カラックス監督
男優賞
『Nitram(原題)』ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
女優賞
『The Worst Person in the World(英題)』レナーテ・レインスヴェ
脚本賞
『ドライブ・マイ・カー』 濱口竜介、大江崇允
写真:REX/アフロ