『シェフは名探偵』橋本マナミは“違和感”与えるスパイスに 真飛聖の役どころにも注目

『シェフは名探偵』橋本マナミ&真飛聖が好演

「君は幸せになれるものを見つけられる。必ず幸せになれる、だから大丈夫」

 西島秀俊主演ドラマ『シェフは名探偵』(テレビ東京系)は、グルメな人たちがこぞって訪れる噂のビストロ「ビストロ・パ・マル」を舞台に、西島演じるシェフ三舟忍が人並み外れた洞察力で客たちが巻き込まれた事件や不可解な出来事の謎を鮮やかに、お節介に解いていくグルメミステリーだ。

 第6話のテーマは「夢」。常連客の西田(新納慎也)の婚約者・串本法子(真飛聖)が巻き込まれた事件の謎解きが描かれた。小劇団の人気俳優である法子の一番のファンである女性の行き過ぎた執着を明かし、それを解放するために三舟がかけたのが冒頭の言葉だ。この法子というキャラクターを元宝塚歌劇団花組トップスターである真飛聖が演じることにまた説得力が宿っていた。

 真飛といえば、映画『娼年』で松坂桃李演じる主人公を娼夫の世界にスカウトするクラブオーナー・御堂静香役を妖艶、かつミステリアスに演じ注目を集めた。また、映画『ミッドナイトスワン』ではヒロイン・一果(服部樹咲)の才能をいち早く見出だし、バレエの道に導くバレエ教師・片平実花役を熱演。見るからに“訳あり”な一果についても不要な詮索は一切しない。トランスジェンダーである凪沙(草なぎ剛)との交流シーンも自然で、とてもフラットな視点の持ち主だということが伝わってくる素敵な役どころだった。

 また記憶に新しいのは、『その女、ジルバ』(東海テレビ・フジテレビ系)で演じた村木みか役だ。主演の池脇千鶴、江口のりこと共に皆同じ職場で働く40歳という設定で、冴えない日常に行き詰まりながらも各々にかけられた呪縛と向き合い自分自身の“心地よさ”“幸せ”を見つけていく姿に勇気をもらった視聴者も少なくないだろう。真飛は人の弱さに寄り添える柔らかな役どころがとても似合う。本作での法子もファンの気持ちを汲み取り、糾弾するでもなくそっと歩み寄る姿が印象的だった。

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