『ボイスII』初回から恐怖全開 真木よう子演じる橘、いきなりの黒幕登場で迎えた別れ

『ボイスII』初回から恐怖全開の内容に

 あまりにも、あまりにも容赦のない展開とおぞましさ。そうだ、これが日テレ土曜22時、これが『ボイス』だ。不安と恐怖を煽るカメラワークと劇伴に、早まっていく鼓動を自覚する。できれば目を逸らしたい、けれど結末を見届けたい。いよいよ『ボイスII 110緊急指令室』(日本テレビ系)が始まった。

 ボイスプロファイラー・橘ひかり(真木よう子)は、その「耳」で情報を集め、犯人像を探る。緊急指令室・ECU(Emergency Call Unit)との連携にてまもなく犯人を特定、現場へと急ぐ。時同じくして、ひとりの男が妻の墓へと参っていた。樋口彰吾(唐沢寿明)ーー息子の病気治療のため現場を離れていた、ECU班長だ。その帰り道「助けて」と叫ぶ女性の声を聞き、駆け出す樋口。勇敢な父の背を、息子・大樹(鳥越壮真)は誇らしげに見つめていた。

 人質立てこもり事件は、橘とECU二代目班長・重藤(増田昇太)の阿吽の呼吸により、通報から10分で犯人を確保。しかし爆弾の入手経路に気がかりが残った。樋口が駆け付けた女性暴行事件は犯人逃亡の上、被害女性は交番に訪れていないという。そのころ重藤、大樹には、それぞれ魔の手が忍び寄っていた。同時に2つの事件が進行し、息をもつかせぬ展開が続く。タイトルバックが現れるころには、15分超が経過していた。相変わらず、すさまじいスピードで物語は進んでいく。

 女性暴行事件はフェイクで、樋口を大樹から引き離す作戦だった。樋口はECUへと向かい、自ら捜査に出るという。「病気が治ってこれからなんだ」。“ハマの狂犬”樋口が、父親の顔を見せる。そこへ、バディの石川(増田貴久)が駆け付ける。ルール違反だと橘に咎められるが、兄貴への感謝と右腕としての覚悟から、決して譲らない石川。処分は慣れっこ、だが「なるべく軽めでお願いします」と、その微笑みが頼もしい。

 そのころ重藤は、水に浸かった状態で監禁されていた。頭上を浮遊するドローンが、落下すれば即感電死。恐ろしいタイムリミットが迫っていた。樋口の耳にも、重藤誘拐事件の詳細が届く。警察の動きを読んで使用車両を乗り捨てるーー2つの事件の手口に、樋口は共通点を見つける。大樹の監禁場所が特定された。黒ずくめの衣服に身を包んだ女の表情はおどろおどろしく、暴行事件の被害者を装っていたときとはまるで別人だ。身を隠した大樹を探し、ヒステリックに叫びながら工具片手に廃病院を歩き回る女。忍び寄る足音、大樹を見つける瞬間は、まるでホラー映画のワンシーンだ。

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