『青天を衝け』前半戦のMVPは草なぎ剛　後半戦は変化する栄一を吉沢亮がどう演じるか

「前半戦、何よりも面白かったのは、栄一はともかくとして、やはり慶喜と円四郎の関係性でした。円四郎を演じた堤真一さんの“べらんめえ口調”はとても素晴らしかったですし、慶喜を演じる草なぎ剛さんとの相性も抜群でした。堤さんは円四郎のユーモアと優しさをとてもうまく表現されていたと思います。円四郎の最期は前半戦屈指の名場面でしたね。そして何よりも慶喜を演じている草なぎさんです。気品と知的さを兼ね備えながら、本心はどこにあるのか分からない掴み所のなさを非常にうまく体現されていたと思います。草なぎさんのインタビュー記事などを読んでいると、情に熱い部分もあれば、非常に合理的な部分もあったり、その点も慶喜自身とも重なるのかなと。これまでも数多くの役者が徳川慶喜を演じてきていますが、その誰よりもはまり役だったと言ってもいいかもしれません。この後、慶喜には『大政奉還』、そして『戊辰戦争』という歴史的な山場が待っています。その後、歴史の表舞台からは姿を消す人物なだけに、『青天を衝け』で晩年の慶喜をどこまで描いていくか、将軍ではなくなった慶喜を草なぎさんがどう演じるか、楽しみなところですね」

　“時代劇のセオリー”を外す形で進行している『青天を衝け』。時代が江戸から明治へと移り変わる中で、これまで知ることのなかった新たな近代史が描かれることになりそうだ。

■放送情報
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合にて、毎週日曜20:00～放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00～放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00～放送
出演：吉沢亮、小林薫、和久井映見、村川絵梨、藤野涼子、高良健吾、成海璃子、田辺誠一、満島真之介、岡田健史、橋本愛、平泉成、朝加真由美、竹中直人、渡辺いっけい、津田寛治、草なぎ剛、堤真一、木村佳乃、平田満、玉木宏ほか
作：大森美香
制作統括：菓子浩、福岡利武
演出：黒崎博、村橋直樹、渡辺哲也、田中健二
音楽：佐藤直紀
プロデューサー：板垣麻衣子
広報プロデューサー：藤原敬久
写真提供＝NHK