『ドラゴン桜』『MIU404』『中学聖日記』 次世代スターを輩出するTBSの“見抜く力”

次世代スター輩出するTBSの“見抜く力”

 眞栄田郷敦はまさにこのパターンに当てはまる。父が千葉真一、兄が新田真剣佑という俳優一家に育った眞栄田のドラマデビューは、2019年の『ノーサイド・ゲーム』(TBS系)。眞栄田は社会人ラグビー・アストロズの若きエース七尾圭太を演じた。同作以前に『小さな恋のうた』で映画デビューしていたが、俳優としてまっさらな状態だった眞栄田は、チームの快進撃を支える中心選手として未経験のラグビーにも果敢に挑戦。並みいるラグビー元日本代表選手や名優たちを前にして、良い意味で物怖じしない胆力を示した。

 『ノーサイド・ゲーム』で日曜劇場へのお披露目を済ませると、翌年の『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)で火曜22時枠に進出。主演・多部未華子の後輩社員で愛されキャラの瀬川遙人として、配信スピンオフドラマ『私の部下のハルトくん』(Paravi)の主演も務めた。1年ぶりに戻ってきた火曜22時枠『プロミス・シンデレラ』で、二階堂ふみ演じる主人公の早梅に“リアル人生ゲーム”を持ちかける高校生、片岡壱成役で出演することが発表されている。

 大舞台を経験することは、俳優の隠れていた魅力を引き出すことに通じる。女優では上白石萌音(『恋はつづくよどこまでも』)や森七菜(『この恋あたためますか』)を主演で抜てきし、また演技力に定評のある若手俳優の細田佳央太や志田彩良(『ドラゴン桜』)、田辺桃子(『リコカツ』)は、TBSドラマで注目されるきっかけをつかんだ。

 今後の飛躍が期待される名前としては、『着飾る恋には理由があって』(TBS系)で1年目の広報社員・秋葉亮を演じた高橋文哉と、『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(TBS系)徳丸元一役の佐野勇斗を挙げたい。佐野は『ドラゴン桜』で桜木(阿部寛)の元教え子である米山圭太を演じており、2クール連続の日曜劇場出演となった。ダイヤの原石を発掘する『私が女優になる日_』(TBS系)が話題になる中、新しいスターを輩出するTBSドラマの育成力に注目が集まりそうだ。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

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