“悪役令嬢もの”はアニメでも一大ジャンルへと成長するか? 『はめふら』に見るTVアニメの変化

 インターネットの発達と共に、アニメ業界も大きな変化を遂げている。Netflixなどの定額制動画配信サービスによってTVアニメが全世界でほぼリアルタイムで楽しめるようになり、YouTubeでは無料で放送されているアニメシリーズも登場しているほか、個人製作の短編アニメ作品を流すことも可能となり、誰でも気軽に発表することができるようになった。また原作ものを扱うことが多い日本のTVアニメにおいて、ネット小説の流行により新しいジャンルが流行の兆しを見せている。今回は『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』(以下『はめふら』)から、TVアニメの変化について考えていきたい。

 日本のTVアニメは『鉄腕アトム』の時代から、原作となる漫画作品の知名度向上や、おもちゃメーカーの製作するグッズの販促としての側面があった。近年はおもちゃやソフトが売れづらい時代と言われているものの、『鬼滅の刃』の社会現象とも言える大ヒットのきっかけとなったのが、 アニメスタジオufotableによるTVアニメ化であるように、知名度向上と原作の販売促進に向けていまだ大きな役割を果たしている。TVアニメは時代を経るにつれて漫画やおもちゃメーカーのみならず、ライトノベルやTVゲームなど、多くの媒体の作品を原作としてアニメ化を果たしてきた。

 その中で近年注目を集めるのがネット小説であり、特に投稿サイト『小説家になろう』で人気を集めた作品、通称“なろう系”のアニメ化が相次いでいる。特に現代社会で暮らしていた一般人が、異世界に転生してファンタジー世界で生活や戦闘を行う、通称“異世界転生系”は一大ジャンルと呼べるほどの人気を集めている。チート級の能力を得たり、前世の記憶などでその世界では特異な知識を有していたり、あるいはモテモテとなりハーレムを生み出すなどのおなじみのパターンがある作品が多い。

 一方で、なろう系にも変化が生まれている。もともとネットの投稿サイト内のことであり、誰でも自由に投稿できるので流行の波を追うのが難しいのだが、2011年に連載が開始された『薬屋のひとりごと』は『次にくるマンガ大賞 2019』にて1位を受賞するなど、注目度を上げている。この作品は異世界転生ものでもなければ、ハーレムを形成する作品でもない。このように一言でなろう系、あるいはネット発作品と一括りに言っても、非常に多種多様な作品がある。

 その中でも注目を集めるジャンルの1つが“悪役令嬢もの”だ。これは多くの作品で悪役とされてしまいがちな性格の悪い令嬢を主人公にしている。例えるならば、シンデレラを主人公にするのではなく、継母や姉などを主人公に起用するといったところだろうか。もちろん読者が感情移入しやすいように、キャラクターの性格などをより好意的に捉えられるように改変されているのだが、さらになろう系やネット小説特有のゲーム世界を取り入れることで、新たな魅力を発揮している。その代表例となるのが『はめふら』だ。

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