板垣李光人、“プリンス・トクガワ”を体現するオーラ 『青天を衝け』新章は徳川昭武に注目
特に『ここは今から倫理です。』で演じた「愛着障害」を抱えている都幾川幸人の変化していく様子にはすさまじいものがあった。前髪で顔を隠し、他者との距離を完全に取る一方、親しみを持った相手には身体を密着させる形で愛情を示す。そんな都幾川が倫理の授業に触れ、教師・高柳(山田裕貴)やクラスメイトと仲を深め、心の距離を縮めていく様子は多くの視聴者の心を打った。特に、自傷行為をしてしまう高崎由梨(吉柳咲良)を都幾川が抱きしめるシーンは、恋愛感情とも違う、人間愛が溢れ出る神々しさすら感じられるものだった。
板垣は本作の出演を振り返り、「同じ境遇に立つ視聴者の方からは『救われた』『勇気をもらった』といった言葉をいただきました。中には僕が出ていたから『ここは今から倫理です。』に出会った方もいます。作品と視聴者の架け橋に、僕自身がなれると気づいたんです」(参照:「ぴあ」板垣李光人『青天を衝け』インタビュー「大河ドラマに関われた事実が僕の“自信”に繋がる」)と語っている。ただ演じるのではなく、演じた先に何が自分自身に何ができるのか。直近の板垣の出演作を振り返ると、どの役にもその思いがにじみ出ているように思う。
新章に入る『青天を衝け』。激動の幕末を栄一と共に昭武はどう生きていたのか。吉沢亮、志尊淳、犬飼貴丈ら、“ニチアサ”組の先輩たちと板垣がどう渡り合うかにも注目だ。
■放送情報
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00~放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00~放送
出演:吉沢亮、小林薫、和久井映見、村川絵梨、藤野涼子、高良健吾、成海璃子、田辺誠一、満島真之介、岡田健史、橋本愛、平泉成、朝加真由美、竹中直人、渡辺いっけい、津田寛治、草なぎ剛、堤真一、木村佳乃、平田満、玉木宏ほか
作:大森美香
制作統括:菓子浩、福岡利武
演出:黒崎博、村橋直樹、渡辺哲也、田中健二
音楽:佐藤直紀
プロデューサー:板垣麻衣子
広報プロデューサー:藤原敬久
写真提供=NHK