『ナイト・ドクター』初回は“フジテレビらしさ”全開? 岸優太が作品に与える説得力

『ナイト・ドクター』岸優太が存在感を発揮

 昨年来からつづく新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療従事者の激務ぶりや慢性的な人手不足に世間の関心がようやく向くようになったと思える。そうしたタイミングだけに、医師の“働き方改革”をひとつのテーマとして掲げるフジテレビ系の月9ドラマ『ナイト・ドクター』は、従来の医療ドラマとは違った見え方ができるのだろうか。少なくとも6月21日に放送された第1話を観る限りでは、良い意味でフジテレビの医療ドラマらしさが全開であり、これを安心感と見るか否かはまだなんとも言い難いところだ。

 あさひ海浜病院で内科医として働いていた深澤(岸優太)は、新たに立ち上げられた夜間勤務専門の救命医療チームに参加することに。その勤務初日、深澤は数日前に街でホームレスを助けようとして何もできなかった際に出会った美月(波瑠)と再会。早速近くの工事現場で崩落事故が起き、重症患者が運び込まれてくるのだが、救命の現場経験のない深澤は立ち尽くすことしかできない。そこにさらに新たにもう1名搬送されてくるのだが、その患者の足は重度の損傷を受けており、指導医の本郷(沢村一樹)は美月に切断を指示。なんとか一命を取り留めるものの、翌日出勤するとその患者はすでに亡くなっていた。

 ドラマとしての主人公は美月であるが、この第1話で物語の軸に立たされるのは救命経験がまるでないどころか医師としてのスキルを何ひとつ発揮できない深澤だ。美月と出会った際に「医者を名乗らないで」と冷たく言い放たれてしまう彼は、持病を抱えた妹の心美(原菜乃華)とふたり暮らし。ナイトドクターとしての勤務を重ねていくうちに、患者の命を背負うという責任の重さに押しつぶされ、はやくもリタイアしようとするのである。しかし妹が救急搬送されたことを契機に、続けていくことを決意。やはりこのドラマも、若手ドクターの成長譚という定番の道を選んだようで、今後もこの深澤というキャラクターの視点から物語が進んでいく可能性も充分に考えられる。

 興味深いことに、このナイトドクターチームのキャスティングには深澤を演じる岸以外、皆が他のドラマで医療従事者を演じた経験があるという精鋭ぞろいときた。波瑠は数年前に『救命病棟24時』(フジテレビ系)で看護師を演じ、昨年も毛色は違うが『#リモラブ ~普通の恋は邪道~』(日本テレビ系)で産業医を演じていた。田中圭は『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)で外科医を演じており、今回の作品での雰囲気は救急認定薬剤師を演じていた『アンサング・シンデレラ』(フジテレビ系)にも近いものがある。また北村匠海は『にじいろカルテ』(テレビ朝日系)で看護師を、岡崎紗絵は『アライブ がん専門医のカルテ』(フジテレビ系)で研修医を演じており、沢村一樹といえば言わずもがな『DOCTORS〜最強の名医〜』(テレビ朝日系)だ。

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