『イン・ザ・ハイツ』監督が制作の熱意を語る 「映画として作らないといけなかった」
7月30日より公開となる『イン・ザ・ハイツ』で監督を務めたジョン・M・チュウのインタビューが公開された。
原作は、ピューリッツアー賞、グラミー賞、エミー賞、トニー賞、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームの星を受賞するなど、ミュージカル界のみならずエンターテインメント業界にその名を轟かすリン=マニュエル・ミランダの同名ミュージカル。作詞・作曲家、脚本家、俳優、ラッパーとして活躍するミランダは、ブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』にて、トニー賞最優秀作品賞をはじめ11部門を受賞した。
そんな彼の処女作にして、トニー賞で作品賞と楽曲賞を含む4部門を受賞(13部門ノミネート)した『イン・ザ・ハイツ』は、映像化が望まれながらもこれまで実現することのなかったミュージカル。映画化権争奪の末、待望の映画化となった。
舞台はワシントン・ハイツ。祖国を遠く離れた人々の暮らすその街は、いつも歌とダンスであふれている。そこで育ったウスナビ(アンソニー・ラモス)、ヴァネッサ(メリッサ・バレラ)、ニーナ(レスリー・グレース)、ベニー(コーリー・ホーキンズ)の4人は、仕事や進学、恋につまずきながら、それぞれの夢を追っている。ある真夏に起こった大停電の夜、彼ら4人の、そして熱い絆でつながるワシントン・ハイツの人々の運命が、大きく動き出す。
移民やラテンコミュニティーにフォーカスをあてた本作について、「旅行することは、人種差別やカラーリズム(ひとつの人種の中において、肌の色の濃淡で差別すること)を終わらせる最良の方法だと言うけれど、僕は、映画はそれよりさらにパワフルなツールになりうると思う。なぜなら、観客はどこにいても、スクリーンの向こう側にいる人々を見ることができるから。そしてそれは、何になりたいか、どういう人になりたいか、誰を恐れるのか、誰を恐れないか、ということに関して、考え方や視点を変えたり、壁を壊すことができるんだ! 僕にとっては、それが映画のパワーだ。だから、僕らはこれを映画として作らないといけなかったんだ!」と本作の意義を語った。
また、「僕たちはキャラクターの内面、ぞれぞれが抱える思いを大切に描きたかった。人間の夢や希望はどれも壮大だし、スケールが大きい。ワシントン・ハイツの住民の願いや未来を描くのは何よりも楽しかったよ! 傑作ミュージカルを映画化するにあたり、キアラ(脚本)とリン(原案)は映画用にアレンジすることを認めてくれた。2人の理解と協力のおかげで無事に映画が完成したんだ」と制作を振り返る。
最後に、本作を楽しみにしている観客へ向け「制作当初の打ち合わせやプレゼンでは、この作品を“ストリート・ミュージカル”と銘打っていたが、今は“ドリーム・ミュージカル”と表現したい。作中の登場人物にはどんな試練にも勝る夢がある。その志は最大級のスケールをもって描くにふさわしい。誰もが困難を抱えながら、自分の夢を高々と掲げる。その姿を是非目に焼きつけてくほしい!」と熱いメッセージで締めくくった。
■公開情報
『イン・ザ・ハイツ』
7月30日(金)全国ロードショー
監督:ジョン・M・チュウ
製作:リン=マニュエル・ミランダ
出演:アンソニー・ラモス、コーリー・ホーキンズ、レスリー・グレース、メリッサ・バレラ、オルガ・メレディス、ジミー・スミッツ
配給:ワーナー・ブラザース映画
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