『クルエラ』エマ・ストーンが今振り返る アカデミー賞『ラ・ラ・ランド』事件の裏側

E・ストーンが『ラ・ラ・ランド』事件を回顧

 現在劇場公開&ディズニープラス配信中の『クルエラ』。主演を務めるエマ・ストーンは、連日映画のプロモーションで様々なインタビューに応えたり、テレビショーに出演したり大忙しだ。

 その一環で遠隔出演したジミー・キンメルの『ジミー・キンメル・ライブ!』では、ジミーから「ところで、もしかしてオスカーのバックステージ以来じゃないかな? あの、君が主演女優賞を受賞して、『ラ・ラ・ランド』も作品賞を受賞した……と思ったら、『ムーンライト』だったっていう、あの時だよ」と言われて、うんうん、と頷くストーン。

Emma Stone on Crying in Front of Celebrities, Loving Steve Martin & Playing Cruella

 そう、忘れもしない2017年の第89回のアカデミー賞での封筒取り違え事件。キンメルはその年の司会進行を務めていた。『ラ・ラ・ランド』の名前が呼ばれ、監督やキャストが壇上に上がって受賞の想いを熱く語り出したその時、何やら後ろがざわついて関係者が「間違いです、『ムーンライト』です」と割って入ってきた。誰もが唖然とした、あの事件のことを数年経ったようやく、キンメルは本人に聞こうと言うのだ。

 「あのクレイジーな瞬間のことを話す機会がなかったんだけど、あの時のことを覚えている?」と聞かれたストーンは、「思うに、私たちはみんな一種の幻覚状態にいたような気持ちなんだけど、あなたはどう感じた? 何時間もステージで進行を続けていた途端、阿鼻叫喚と化してしまったけど」と質問に質問で返した。

 「基本的に困惑していたよ。そして突然恐怖を感じた、ステージを降りた時、周りが『君の仕掛けたドッキリかい?』と話しかけてきたから『違う、違うよ!』って弁明したんだよ。そして覚えている、君は賢くもあの地獄のような場からすぐに立ち去ったよね。そして覚えているのが、(作品賞のプレゼンターだった)ウォーレン・ベイティが君の名前が書かれたカードを持ちながら歩き回っていたことだよ」

 それに対し、エマ・ストーンは何度も話の間で苦い表情を浮かべながら頷きつつ、こう返した。

「そう、そして皆あのカードが1枚しかなかったと私に言い続けて、それでも私は自分のカードを持っているけど?ってなって。ウォーレンは(『ムーンライト』の監督)バリー(・ジェンキンス)に見せたくて、誰にもカードを渡さないし。とにかくカオスな状態だったわ」

 このカードの問題なのだが、真相はというとエマ・ストーンの名が書かれたものが実は2つ存在したのだと、キンメルは続け、ストーンはその事実を授賞式後が終わったその日の夜に知らされたと言う。動画内でキンメルが指摘している通り、ストーンがカードを自分の手元に持ち続けていたことは極めて賢い判断だったわけだ。今だからこそ、笑って話せる話題なのだろう。まさに前代未聞の事件となった第89回アカデミー賞だったが、少なくとも何かしらの“刺激”があったわけで……、近年の“退屈”というレッテルが貼られてしまったアカデミーにとっては、ある意味で良い思い出なのかもしれない。

■アナイス(ANAIS)
映画ライター。幼少期はQueenを聞きながら化石掘りをして過ごした、恐竜とポップカルチャーをこよなく愛するナードなミックス。レビューやコラム、インタビュー記事を執筆する。湖畔でキャンプがしたい。InstagramTwitter

■公開・配信情報
『クルエラ』
映画館、ディズニープラス プレミア アクセスにて公開中
※プレミアアクセスは追加支払いが必要
監督:クレイグ・ギレスピー
出演:エマ・ストーン、エマ・トンプソン、マーク・ストロング
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン 
(c)2021 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

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