木村拓哉、海外ドラマ初出演は期待大? 近年の演技経験を汲むかのような配役に
近年の木村の演技では、年始のスペシャルドラマ『教場II』(フジテレビ系)がやはり印象的。これまでの快活な役柄とは異なり、冷徹かつミステリアスな警察学校の教官・風間公親役は、普段とのギャップを感じさせながら、そのカリスマ性を遺憾なく発揮したキャラクターとなった。ほかにも2020年には『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)では、斎藤工とバディを組み、これまでの自身がどんどん前に出る演技だけではなく、どこか哀愁漂う大人の雰囲気や、斎藤とのお互いを引き立て合う演技など、いい意味でテンションの落ち着きも感じさせた。
今回の『THE SWARM』では、科学者グループのひとつを組成し海洋問題に取り組む“ミフネ財団”の創設者で、自らそのチームを指揮するアイト・ミフネ役ということで、数々の作品でキャプテンシーを発揮してきた木村にうってつけのキャラクターであり、周囲との協力も求められる立場に。ここ近年の木村の演技経験を汲むかのような配役だ。
製作総指揮のドルジャーは、「ますます多様化する現代の科学者コミュニティを反映して登場人物を再解釈」したとのことで、アジア代表枠ともいえる今回の木村の出演。海外で活躍する日本人俳優といえば、渡辺謙や真田広之らが思い浮かぶが、その下の世代のグローバル進出のきっかけとして、NetflixやHuluなどの動画配信サービスが機能し始めていると言えるのではないだろうか。今後も山下、木村に続く、海外進出を果たす日本人俳優が増えていくことを期待したい。
■配信情報
『THE SWARM(原題)』(全8話)
2022年世界同時放送&配信開始、日本ではHuluで独占配信予定
製作総指揮:フランク・ドルジャー
監督:バーバラ・イーダー、ルーク・ワトソン
原作:『THE SWARM』フランク・シェッツィング
脚本:スティーヴ・ラリー、マリッサ・レストラード、
制作:インタグリオ・フィルムズ、ndFインターナショナル・プロダクション