『おかえりモネ』清原果耶×蒔田彩珠、姉妹の繊細な芝居が光る 生々しい家族の空気感

清原果耶×蒔田彩珠、姉妹の繊細な芝居

 下り坂の天気がもたらしたのは、急な雨だけではなかった。『おかえりモネ』(NHK総合)第18話では、未知(蒔田彩珠)と龍己(藤竜也)の思いが衝突する。

 カキの赤ちゃんをくっつけて育てる原盤を海に入れるタイミングは「自分で決めろ」と言ってくれた龍己が、悪天候から原盤を明るいうちに引き揚げると言い出した。未知はもう少し待って種ガキの数を増やしたい。「これは私の研究なの。私が決める」という未知に対して、「よし。勝手にしろ!」と龍己。あれだけ仲の良かった2人の意見が真っ二つに割れる。

 結果、龍己は本降りの中、原盤を揚げに一人で海に向かい、筏の上で足を捻ることとなってしまった。そして、耕治(内野聖陽)、亜哉子(鈴木京香)を含めた家族会議で、「たかが高校生の自由研究」という龍己の言葉にカチンときた未知の思いが爆発する。

 水産高校で勉強に打ち込んでいる未知は、家業であるカキの養殖を担うという責任感のもと研究に励んでいた。その一番の理解者は龍己。だからこそ「たかが」という言葉に未知なりのプライドが傷つけられ、本心を曝け出そうと思えたのだろう。しかし、長年カキ養殖に生きてきた龍己の見方はやはりプロだ。種ガキを巡る問題、支柱を立てる設置費用。「知識」と「理想」だけでは実現できないことをその「経験」から理解させていく。

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