向井理、『着飾る恋』葉山役は“ナチュラルさ”を大切に パーカーやネクタイなど撮影秘話も

向井理『着飾る恋』で大切にするナチュラルさ

“あざとくない”が葉山のテーマ

――真柴との胸キュンシーンも、キスやハグではない、葉山の無意識の言動からくる“キュン”かと思います。そのようなシーンを演じる上で、気を付けていることはありますか?

向井:あまり意識しないことです。置きに行くとあざとく見えるので、ナチュラルに。今回、僕としては“あざとくない”っていうのが葉山のテーマなんです。

――制作発表会見時にも、「あざとくならないように見せるのが一番難しい」とおっしゃっていましたね。

向井:自然体に、というのが難しいので、アドリブに見えるようにやる感じです。だから、「うまくできなくていいや」と思いながらやっています。あとは、何かが出てきた瞬間を、ちゃんと捉えてリアクションする。日常ではそれが当たり前ですけど、ドラマでは段取りよく、テンポよく、気持ちよく、っていうことに引っ張られてしまうので。でも今回は、演出の塚原さんがその場で起きたことを大切にしているので、僕もそっちを優先しています。当然、みんな台本にあるセリフを頭に入れてきますけど、よくも悪くも、そんなに台本を信じ切っていないですね。たとえば工場に行ったときも、台本には“工場”と書かれているけど、行ってみないとそこに何があるかはわからない。実際に行ってみた時に「あっ」と思ったら、「あっ」と芝居するような、柔軟さを持つようにしています。

――ドラマでは、真柴が葉山にネクタイを結ぶシーンも印象的です。

向井:クランクインの日に結ぶシーンがありましたけど、なるべく無防備な状態でいたほうがおもしろいかなと思ったので、なんとなく手を挙げたら、監督が「じゃあ、それで」と。だから僕としては、何もしないっていうことですね。川口さんは「飼い犬で練習した」と言ってました(笑)。やっぱり陰で努力をしているんだなと思いますよね。

――葉山と真柴は長い付き合いで、互いに信頼感もあります。そのような関係性を作るために、川口さんとは何かお話を?

向井:とくに「こうしよう」とは話していないです。川口さんとはほとんど初めましてなので、徐々に話をしている感じで。最近は共演するシーンが増えて、何気ない会話をしたり、打ち解けてきている感じがします。

――シェアハウスメンバーの印象もお願いします。

向井:川口さんは、お若いのにすごく芯がある。でも肩肘張っているわけではなく、自然体でいられる素敵な女優さんだなと思っています。趣味の話だったり、好きなものが似ていたりするので、そういう話で盛り上がっていますね。やっぱり、(劇中の)料理が本当においしいので、自然と食べ物の話は多くなります。「どこかいい店ありませんか?」とか「あの店は行った?」とか、よく話しています。

 横浜くんは、すごく熱意のある青年です。やっていて気持ちがいい。今回は、役柄的にあまり仲良くしすぎるのもあれかなと思いますけど、いろんなことを相談に来てくれたり、向上心がある人なので、信頼できる共演者だなと思います。丸山くんは一緒にお芝居するのは初めてですけど、前から知っているので、一番最初から打ち解けられました。すごく周りを見ている方で、ワーワー言うわけじゃないけど、裏でしっかり支えているような。ちょっと慣れてくると冗談を言って和ませたり、本当にテレビのキャラクターの延長線にいるような人なので、すごくやりやすいです。

 中村さんはサバサバしていて、川口さんに似ているのかな。変に気を使わないで居られるので、みんなそれぞれ話したい時に話して、考え事をしたいときは考えて。本当にドラマの通り、居心地がいいですね。夏川さんは、一番若々しいというか、一番キャッキャしている感じがあります(笑)。そうやって現場にいてくださるので、あまり先輩後輩関係なくワチャワチャと。その中心に犬がいるんですけど、すごくバランスがいいなと思っています。

――『きみが心に棲みついた』『わたし、定時で帰ります。』に続く火曜10時枠ですが、火ドラならではのおもしろさはどこに感じますか?

向井:たまたまかもしれないですけど、女性が多いです。ドラマも女性が主人公なので、いろんな女性の意見があって然るべきだと思いますし、柔軟に物事が進みます。今回は、塚原(あゆ子)さんがグイグイ引っ張ってくださる方なので、本当に身を任せて演出していただいています。言い方が難しいんですけど、すごくラクな役だな、と僕は思っていて。それは簡単という意味ではなくて、塚原さんはいい意味で予定調和を嫌われる方なので、突発的に起きたことを生かしたり、セリフも綺麗に言うんじゃなくて、いろいろとノッキングしながら試せたり。それがオンエアになると、すごくリアリティをもったドラマに昇華されているので、失敗を恐れないというか、失敗も含めて、ひとりの人間として演じられるのは、醍醐味だなと思います。

――突発的に起きたことによって、演出がガラッと変わるようなことも?

向井:ガラッとは変わらないですけど、たとえばこうじの動きとかは、予測できないこともあるんです。本番しかやらないこともあるし、それが見事にハマっている時もあって(笑)。オンエアを観ると、奇跡的なことがいっぱいあります。みなさんはその一回しかご覧になれないけど、僕らは何度も何度もやっているこうじを見ているので、OKテイクの威力はすごいなと。こうじはオスだけど、実際は女の子なので、みんなで「女優だね」と言っています。現場では、そうやって身内だけで楽しんでいることもいっぱいありますね(笑)。

■放送情報
火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:川口春奈、横浜流星、丸山隆平、中村アン、飯尾和樹、山下美月(乃木坂46)、 高橋文哉、向井理、夏川結衣
脚本:金子ありさ
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子
編成:松本友香、川島優子
主題歌:星野源
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kikazarukoi_tbs/
公式Twitter:@kikazarukoi_tbs
公式Instagram:kikazarukoi_tbs

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