『リコカツ』離婚して初めて気付くお互いの魅力 永山瑛太×北川景子のすれ違いの行方は?

『リコカツ』離婚して気付くお互いの魅力

「じゃあ、水口咲にふさわしい人って誰?」

 離婚に向けた活動(離婚活動)がテーマの『リコカツ』(TBS系)第8話では、紘一(永山瑛太)と咲(北川景子)が同じように相手に嘘をつき“別の人と付き合っている”フリをするも、最終的に自分の本心は欺けず、2人して“誰とも付き合わない”という決心をする。どこまでも似た者同士の2人である。

 宣戦布告した恋愛小説家・連(白洲迅)に対して紘一は「彼女を傷つけてしまったからこそ、彼女が本当に幸せになれる相手と一緒になるまで見守る責任がある」と言い、自分に想いを寄せる“筑前煮女”こと一ノ瀬純(田辺桃子)にも「自分は誰ともお付き合いすることはできない」とストレートに伝える。さらには咲自身にも「君が別の人と幸せになるまでは自分の幸せを考えることはできない」と断言する。こんなにも“相手の幸せが自分の幸せ”“あなたが幸せであれば私はこの身を引きます”というまるで昭和歌謡かのような世界観があるのかと少々面食らう勢いだ。

 勘所が良くお察しのいい連は冒頭の問いかけを紘一に投げかけるが、彼の中でもう答えは出ているだろう。親に捨てられ“愛なんかない”と疑うことさえなかった連からすれば、いい歳した大人たちが自分のことや自分の気持ちを差し置いて相手のことばかり思いやって見事空回りしている姿が、最初は滑稽に見えて仕方なかっただろうが、いつしか自分の中での“希望”に変わっていったに違いない。連は「俺、あんたのために書きたい。“誰かのために”とか想ったの初めてなんだ」とこぼしていたが、その裏にあるのは咲への興味や好意だけでないだろう。その先に咲のことを不器用に、だけれどもとびっきり大切に想う紘一の姿を見ているのだろう。それなのに変なところで素直になれず、傍目から見れば誰より想い合っている2人なのに、当人同士はそれに気づいていない。だけれども“渦中の2人”というのは往々にしてそんなものなのだ。

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