川口春奈×横浜流星が振り返る『着飾る恋には理由があって』 「引き出しを広げてもらった」
塚原あゆ子監督からの手紙が活力に
――実際に演じられて、一番感情を作るのが難しかった場面はどこでしょうか?
川口:4話でデザイナーのメイフェンと、ひょんなことから対談することになったシーンです。「おうちで過ごす幸せな時間は?」と聞かれたときに、思い出すこと、想像しちゃうことが、全部駿で。駿にご飯を作ってもらって一緒に食べる幸せだったり、お酒を飲んでいる幸せだったり、そこで完全に「駿なんだな」と、自分の気持ちに自分で気づくんです。でも、台本だとかなりストロークが短くて、回想が2、3回入っただけでそこに持っていかなきゃいけない。監督とも、そこで落ちておかないと次につながらないっていうお話もさせてもらいましたし、社長(葉山祥吾/向井理)に対する気持ちもまだある中で、感情を作るのが難しかったですね。
横浜:僕は、9話の河原でのシーン。自分みたいになってほしくないから真柴を慰めたいけど、駿はいつも、言葉でうまく言えないんですよね。伝えたいのに、ちょっと言葉が強かったり、そのときの真柴の状態によって言葉の受け取り方も変わってくるので、2人がすれ違ってしまう。自分の中では、そうなってほしくない。でも、それをうまく言葉で表現できないもどかしさが、難しかったです。
――新たな挑戦になることも多い現場だったと思います。この作品を通して、ご自身で成長を感じるようなことはありますか?
横浜:僕にはそういうイメージがあるのか、なぜか最近、クールな役が続いていて。それもありがたいことなんですけど、1話の台本を読んだ時に、明るくて、でも心は閉じていて、過去からちょっと逃げていて……という難しい役で、これはすごく高い壁だなと思いました。でも、挑戦できることが嬉しくて、高い壁を作ってくれた制作陣には感謝しています。役者には正解がないから、こうやって日々、ずーっと駿のことを考えて、悩んでいるのが楽しかったりもするので、本当に勉強になる作品でした。その壁を乗り越えられたのかはわからないけど、自分の中で、徐々に自分の体が駿になっていっているな、と感じられたので、これは駿になれているのかなと。それはよかったなと思います。新たな役に挑戦できたことで得るものは大きかったですし、塚原(あゆ子)さんは、完パケを渡してくださるタイミングで、いつもお手紙をくれるんです。
川口:あれ、なんて書いてあるの? すごく気になる!
横浜:俺も気になってるの!
川口:今回のベストカットは……とか?
横浜:そうそう! 何話のベストカットは、真柴に毛布をかけたときの……みたいな。そういうふうに、いろいろと丁寧に書いてくださるんですよ。
川口:そうなんです、それが刺さるんです。
横浜:すごく嬉しいし、より頑張ろうと思える活力になる。もともと新井(順子)さん、塚原さんチームとやりたかったんですけど、より大好きになったかな。だから10話のお手紙も、楽しみに待っています(笑)。
川口:そうだね。私は、この枠自体が初めてで。でも、この枠の良さも残しつつ、そこだけにとらわれすぎない人間ドラマとか、深いところまで描いてくれるような脚本だったり、演出だったり、環境だったりのおかげで、すごく感情的になれるお芝居をさせてもらえました。キュンもあるし、そのメリハリは毎日刺激的で、自分でも見たことのない引き出しをキャスト、スタッフさんに広げてもらった感覚です。
――具体的に、どんな引き出しを?
川口:4話で「ぎゅーしてもらってもいいですか?」と言って、最中を食べるっていう。
横浜:あーっ! はいはい。
川口:「ぎゅーしてもらってもいいですか?」なんて、人生で言ったことないから。
横浜:あははは(笑)。
川口:でも、きっとそこはキュンポイントで、ここで主題歌が流れるんだろうなって想像できるじゃないですか。私は真柴をいつも客観的に見ているんですけど、ここは真柴が劇的にかわいくなくてはならないし、「抱きしめたい」「抱きしめる」という気持ちに駿をさせなきゃいけない。だから、ツンツンからの「ぎゅーしてもらってもいいですか?」のニュアンスはすごく大事じゃん! と思いながらやった結果、オンエアで観た真柴ちゃんは、自分でも見たことがない顔をしていました。あとは1話でカレー食べているところも、あんなに必死で人がもがくというか、悔しいし、切ないんだけど、明日も仕事があるし投げ出せない。頑張らなきゃいけないし、でもおいしいし、そのおいしさに涙が出て……。いろんな気持ちが入り混じったときに、こういう顔をするんだなって、第三者目線で発見がありましたね。
横浜:あのシーンは、マジでよかった! 鳥肌立ったもん。真柴を見ていたら、(映像の中では)駿だけど、自分の気持ちも出てきちゃって。すごくよかったな。
――それでは最終回に向けて、視聴者の方へメッセージをお願いします。
川口:それぞれが人生の岐路に立った時に、どう判断して、どういう道を選ぶのか。今までドラマを観て応援してくださった方に、見守っていただける内容になっていると思います。「どっちとくっつくの?」とか「ハッピーエンドなの?」とかの前に、ひとりの人間として、自分がどんな人間になりたいのかを考えるきっかけになったり、「これからの人生、どうやって自分らしく生きていけばいいんだろう」と考えられるポジティブな内容になっているので、恋愛のわくわくキュンキュンだけでなく、人間の成長みたいなものも、見守っていただけたらなと思っています。
横浜:僕は、とにかく観てほしいです!
川口:観るよっ!
横浜:観るかな(笑)……でも、今まで観てない人にも観てほしい。作品を観てみなさんが感じてくれたことがすべてだと思うので、それで、この作品を愛してくれたら嬉しいなと思います。とにかく、観てください!!
『着飾る恋には理由があって』川口春奈×横浜流星 インタビュー
第1弾:川口春奈&横浜流星、SNSをやる上でのマイルールとは
第2弾:川口春奈×横浜流星、心を打たれた互いの演技
■放送情報
火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:川口春奈、横浜流星、丸山隆平、中村アン、飯尾和樹、山下美月(乃木坂46)、 高橋文哉、向井理、夏川結衣
脚本:金子ありさ
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子
編成:松本友香、川島優子
主題歌:星野源
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kikazarukoi_tbs/
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