『東京リベンジャーズ』ドラケンが体現する不良イズム 映画版の山田裕貴にも期待

 人気上昇中のアニメ『東京リベンジャーズ』で、主人公の花垣武道(タケミチ)が出会う東京卍會(東卍)副総長が龍宮寺堅、通称「ドラケン」である。

 ドラケンの登場は第3話。幼なじみタクヤの身代わりとして、タケミチが喧嘩賭博で清水将貴(キヨマサ)にタイマン勝負を挑んでいる時、止めに入ったのが最初だった。185センチの長身に金髪を辮髪で束ね、こめかみに竜の刺青という出で立ちはインパクト十分だった。

 ドラケンは『東京リベンジャーズ』の不良イズムを体現する存在だ。渋谷のファッションヘルスが実家で、父はおらず母はドラケンが2歳の時に失踪。両親のいないドラケンは風俗嬢やスタッフに育てられた。渋谷という街に育てられたとも言える。そんな生い立ちもあってか、ドラケンはストリートの掟を熟知している。小学校から無双で鳴らしていたドラケンは一帯を仕切る高校生たちに従うことになったが、佐野万次郎(マイキー)に助けられて以後、マイキーと行動を共にするようになった。

 カリスマ性のあるマイキーをドラケンは一歩下がったところで支える。無邪気で天才肌のマイキーは魂に制御できない闇を抱えている。マイキーに向かって「オレらの世界のことはオレらの中だけで片付ける」「下げる頭持ってなくてもいい。人の心を持て」と諭すドラケンは、まさに「マイキーの心」(タケミチ)だ。暴力と犯罪のはびこる世界でどうしたら道を外れずに生きられるかという意識がドラケンにはあり、“直感の人”マイキーをまっとうすぎて切実なくらいの「不良道」で補佐しているのだ。

 ドラケンはチームとともにある。ドラケンのエゴのなさ、自分のことよりも他人を優先する性格は生まれ育った環境に由来すると思われるが、東卍のナンバー2になることで最大限に発揮されているように見える。ドラケンの優しさは仲間のためという思いから発しており、仲間を優先する姿勢がドラケンをチームの心臓たらしめている。放っておかれるエマは気の毒だが、そんなドラケンだからこそ、誰かを守ろうとして必死になるタケミチを受け止めることができるのだろう。

 東卍の強さを象徴するマイキーとどんな相手にも立ち向かうタケミチは、コインの裏表といえるキャラクターだ。2人をつなぐ存在として本作の不良イズムを担うドラケンは、東卍また『東京リベンジャーズ』に不可欠な人物である。しかし、第7話で12年後の未来にドラケンはいない。東卍の内部抗争によって死んでおり、ドラケンが組織の要であることを知る何者かが殺害を仕組んだと考えられる。ドラケンを救えるかどうかが東卍の未来ひいては物語の行く末を左右することになる。

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