高橋海人演じる瀬戸の涙と新たな一歩 『ドラゴン桜』桜木にみる、本来の教育のあり方

『ドラゴン桜』高橋海人の涙の理由

 そんな受験ドラマの新機軸を提示する『ドラゴン桜』続編は、人間ドラマとしてのスケールも格段に上がっている。受験はバトルで成長ストーリーであり、生徒たちは人生を懸けた挑戦を通じて日常と非日常を行き来する。そこには多くのドラマがある。家庭の事情で自らの可能性を閉ざそうとする瀬戸に桜木は話しかける。

 「お前のように両親を亡くし、貧しい環境に育ったら、周囲の人間はみんな同情してくれるだろう」。現状を受け入れるなと説いた後、「クソみてぇな1円にもならないプライド抱えて社会の闇に消えそうなバカなガキでも、人生仕切り直すことができるんだ」と励ました。それでもなお誰にも迷惑をかけたくないと涙を流す瀬戸に、桜木は「もっと人を頼れ」と訴えた。桜木が見せた大きさと強さは瀬戸の心に沁みただろう。東大専科の3人も、教室に戻ってきた瀬戸を温かく迎える。同じスタートラインじゃなくてもいい。同じ志を持てば仲間である。そして本気になったバカは強い。ところで桜木の公約は5人の東大合格者を輩出すること。そうすると最低でも東大専科にはあと1人、生徒を入れなくてはならない。さて、桜木の秘策はいかに?

※高橋海人の「高」は「ハシゴダカ」が正式表記。
※鶴ヶ崎好昭の「崎」は「たつさき」が正式表記。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログTwitter

■放送情報
日曜劇場『ドラゴン桜』
TBS系にて、毎週日曜21:00~放送
出演:阿部寛、長澤まさみ、高橋海人(King & Prince)、南沙良、平手友梨奈、加藤清史郎、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太、西山潤、西垣匠、吉田美月喜、内村遥、山田キヌヲ、ケン(水玉れっぷう隊)、鶴ヶ崎好昭、駿河太郎、馬渕英里何、大幡しえり、深田竜生(少年忍者/ジャニーズJr.)、林遣都、佐野勇斗、早霧せいな、山崎銀之丞、木場勝己、江口のりこ、及川光博ほか
原作:三田紀房『ドラゴン桜2』(講談社刊)
プロデュース:飯田和孝、黎景怡
脚本:オークラ、李正美
演出:福澤克雄ほか
製作著作:TBS
(c)TBS

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる