高橋海人、俳優としても第一線に躍り出るか 『ドラゴン桜』で放つ“色”

高橋海人、『ドラゴン桜』で放つ色

 桜木に恩を着せられるかたちで、しぶしぶ“東大専科”に入った瀬戸が色を出し始めたのが第3話だ。なんだかんだで発揮する協調性、ひそかに努力する真面目さ、そして何より、周囲の者を思う優しさ。これらが第4話では桜木によってみなの前に差し出されることになりそうである。つまり、瀬戸=高橋の主役回となりそうなのだ。

 この高橋が、アイドルグループ・King & Princeのメンバーだというのは広く知られているが、このところ俳優業もアクティブなものとなってきた。映画にドラマにと主演での活躍が相次ぐ平野紫耀や、朝ドラ『おかえりモネ』(NHK総合)の出演も決まっている永瀬廉ら“キンプリ”メンバーに続いている。このタイミングでの『ドラゴン桜』出演の意味は大きいだろう。平手をはじめとする同世代の共演者に関してもそうだが、16年前に放送された第1シリーズに出演した者たちの現在の活躍ぶりを見れば分かりやすい。この事実は、高橋の俳優としてのポテンシャルを製作陣が見抜いている証なのではないだろうか。

 さて、今回のように“学園モノ”での高橋というと、『ブラック校則』での姿が記憶に新しい。同作はタイトルから分かる通り、厳しすぎる校則のある学園が舞台の物語で、高橋はシリアスな空気を和ませるムードメーカーを好演。校則を変えようと奮起する主人公を支える役割をまっとうした。これに対して『ドラゴン桜』は、リーダーのような存在がいまのところいない。“東大専科”は動き出したばかりである。そんななかで、仲間思いの一面がある瀬戸こそが“リーダー”としての資質を持っているような気がする。果たして彼は今後、どのような問題を持ち込み、それを高橋はどのように表現していくのか。

 平手、南沙良、加藤清史郎。高橋の周りにいる誰もが、彼と同世代の俳優としてすでに第一線にいる者たちだ。ここでの高橋の活躍ぶりによっては、本作内にとどまらず、いち俳優として第一線にまで躍り出ることに繋がるのかもしれない。

※高橋海人の「高」は「ハシゴダカ」が正式表記。

■折田侑駿
1990年生まれ。文筆家。主な守備範囲は、映画、演劇、俳優、服飾、酒場など。最も好きな監督は増村保造。Twitter

■放送情報
日曜劇場『ドラゴン桜』
TBS系にて、毎週日曜21:00~放送
出演:阿部寛、長澤まさみ、高橋海人(King & Prince)、南沙良、平手友梨奈、加藤清史郎、鈴鹿央士、志田彩良、細田佳央太、西山潤、西垣匠、吉田美月喜、内村遥、山田キヌヲ、ケン(水玉れっぷう隊)、鶴ヶ崎好昭、駿河太郎、馬渕英里何、大幡しえり、深田竜生(少年忍者/ジャニーズJr.)、林遣都、佐野勇斗、早霧せいな、山崎銀之丞、木場勝己、江口のりこ、及川光博ほか
原作:三田紀房『ドラゴン桜2』(講談社刊)
プロデュース:飯田和孝、黎景怡
脚本:オークラ、李正美
演出:福澤克雄ほか
製作著作:TBS
(c)TBS

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