綾野剛、王道シチュエーションが映える 『恋はDeepに』で誘うファンタジックな世界

綾野剛、王道シチュエーションが映える

 ツンデレ御曹司と秘密を抱えた海洋学者が紡ぐ不器用な恋に胸キュンが止まらない。

 放送中のドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系)は、海洋学者の渚海音(石原さとみ)と御曹司の蓮田倫太郎(綾野剛)が海にまつわる仕事を通して徐々に距離を縮めるラブストーリー。サスペンスやヒューマンドラマに出演することの多かった綾野剛が見せる新たな姿に早くも注目が集まっている。

 綾野といえば、ドラマ『コウノドリ』(TBS系)や『MIU404』(TBS系)での活躍が印象に残る。いわゆる職業もののドラマやサスペンスに出演することが多く、魅力的な切れ長の瞳と180cmという長身かつ細身なルックスからは、どこかミステリアスな雰囲気さえ漂ってくる。

 そんな綾野が2017年放送の『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)以来、久々のラブストーリーに挑戦し、石原さとみと共に王道ラブコメに挑んだ。綾野は今年(2021年)に入ってから、『ヤクザと家族 The Family』、『ホムンクルス』と主演映画の公開が相次いでいる。これらのジャンルが任侠ものとサスペンスであることからも、『恋はDeepに』で見せる綾野の姿がいかに新鮮かつ貴重なものであるかが伺える。普段見ることのない綾野の表情を引き出すことに成功したという点からみても、本作はいっそう攻めた胸キュンを視聴者に届けられているのではないだろうか。

『ホムンクルス』(c)2021 山本英夫・小学館/エイベックス・ピクチャーズ

 『恋はDeepに』における恋愛パートの魅力は、なんといっても倫太郎と海音の密着度の高さにあるだろう。第1話でのキスシーン、第2話のエレベーター内抱擁シーン、そして第3話では脱いだコートをかけてあげてから焼き芋を分け合うなど、ドキドキさせられるスキンシップが多かった。だが普段の倫太郎が海音に接する態度は、言葉もきついうえに本音も語らない。それゆえ海音を、仕事の面でも人との関わりという点でも悩ませてしまうことが多いのだが、この倫太郎の不器用さこそが重要なエッセンスになってくるのだ。それは綾野に、表情や仕草だけで十分に“語れる”確固たる演技力があるからだろう。

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