広瀬すずの『なつぞら』以降の挑戦を振り返る 『ネメシス』では櫻井翔との化学反応に期待

広瀬すずの『なつぞら』以降の挑戦を振り返る

 そうしたチャレンジ真っ最中に挑むのが『ネメシス』。広瀬演じる天才助手・美神アンナと、櫻井翔演じるポンコツ探偵・風真尚希の凸凹バディが、探偵事務所「ネメシス」に舞い込む難事件を次々と解決していく、完全オリジナル脚本のミステリーだ。

 まず話題となったのが、広瀬のビジュアル。いつもの黒髪ストレートではなく、ボブパーマという時点で、これまで築いた広瀬のピュアなイメージを見た目から崩し、ラフで自由な印象を与える(ただそれがまたキュートでオシャレなのだが)。予告編を見る限り、よく走り、表情豊かで、無邪気さ故のナチュラルさを感じる。

 風真はポンコツでというキャラクターで、広瀬曰く「ダサかっこいい」どこか間の抜けた人物だけに、ボケの風真に対し、ツッコミのアンナという関係性が笑いを生み出していく。『なつぞら』以降は、『一度死んでみた』のような、ヤンチャな役のコメディ作品に挑戦していたので、流れ的に今回の役は不思議ではない。これまで、自分を犠牲にしてまでも仲間のために頑張るようなヒロイン役が多かっただけに、キレキレに推理していき、思いっきり相方を引っ張っていく助手というのも面白く、暴走するぐらいの当たりが強い役になれば、それだけで櫻井がどんどん美味しくなっていくはず。

 今回たくさんの役者が登場するのも話題だが、『なつぞら』でも見せた座長としてのヒロイン性で、共演者が多いほど広瀬自身が光輝いていくだろう。楽しみなのが、橋本環奈との共演。橋本演じる理系大学生・四葉朋美役は、アンナに負けず劣らずの天才で、冷静沈着に事件と向き合い2人をサポートしていく親友役。20代若手女優の両巨頭と言ってもおかしくない同い年の2人の共演は並ぶだけでもワクワクする。キャリアでいえば広瀬に充分に分があるが、橋本はコメディが強いだけに、どちらが現代ドラマ界のヒロインなのか、名勝負になる予感をさせる。今作は広瀬にとって新境地とも言える軽いノリのコメディだけに、今後の仕事の方向性に大いに関わる作品だと思われる。

■放送情報
4月期日曜ドラマ 『ネメシス』
日本テレビ系にて、4月11日(日)スタート 毎週日曜22:30~23:25放送
出演:広瀬すず、櫻井翔、勝地涼、中村蒼、富田望生、三島あよな、山﨑紘菜、橋本環奈、
大島優子、上田竜也、石黒賢、真木よう子、仲村トオル、江口洋介
総監督:入江悠(1・2・3・6・8・9・10話担当)
監督:片桐健滋(『きのう何食べた?』『ルームロンダリング』)(4・5話担当)、岸塚祐季(7話担当)
脚本:片岡翔、入江悠
脚本協力: 講談社タイガ、今村昌弘(『屍人荘の殺人』)(1・3話担当)、藤石波矢(『今からあなたを脅迫します』)(2・6話担当)、周木律(『眼球堂の殺人』)(4話担当)、降田天(『女王はかえらない』)(5話担当)、青崎有吾(『体育館の殺人』)(7話担当)
企画・プロデューサー: 北島直明
プロデューサー:里吉優也、次屋尚、田端綾子
制作会社:クレデウス
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:www.ntv.co.jp/nemesis
公式Twitter:@nemesis_ntv
公式Instagram:@nemesis_ntv

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