『レッドアイズ』小牧(松村北斗)は本当に“真犯人”なのか? 残された謎を徹底検証

『レッドアイズ』小牧は本当に“真犯人”?

 『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)第9話では、一部の考察班が当初から提唱していた“小牧(松村北斗)真犯人説”が的中した。しかし、大病院のシステムジャックを実行しながら、伏見にパスワードのヒントを与えたこと、それでも伏見のもとへは戻らない選択をしたことーー。どこか矛盾して見える小牧の行動とその真意が明かされるまで、真実は分からない。それが『レッドアイズ』だ。

 かつて自身の患者だったという蠣崎(忍成修吾)の情報提供のため、KSBCを訪ねてきた鳥羽(高嶋政伸)。KSBCが関わった一連の事件に共通するマークの繋がり、右腕の大きな痕から、美保(小野ゆり子)殺害の重要参考人として取り調べを受けることになる。きわめて冷静に否定する鳥羽は、自宅もクリニックも好きなだけ調べてくれという。

 「あなたの気持ちは痛いほど分かる」ーー第1話とリンクする、島原(松下奈緒)の台詞。失ってしまった大切な人のためにできること、成すべきことは復讐ではない。警察官として、真相をつきとめること。家宅捜査に向かう伏見(亀梨和也)を諭すような島原の強い瞳に、そうした気概を感じた。そして鳥羽宅から「さぁどうぞ」と言わんばかりのタイミングで見つかった、美保の血痕が付着した凶器。その鑑定結果にKSBC一同、愕然とする。柄に残されていた指紋が、小牧のものと一致したのだ。「コーヒーをおごる」と言ってKSBCを出た小牧は、その足で真弓(TAK∴)らと合流、姿を消していた。

 鳥羽の取り調べは肩透かしだ。自宅から発見された凶器は、奇しくもKSBCの武器である監視カメラにより、外部侵入者が置いたものであると発覚する。「先生」と呼ばれる職業に従事し、さらには人の心を操る鳥羽。病院のシステムジャックをカウントダウンで予告したことも、無関係な人間にできることではない。怪しいことは明白であるのに、証拠がない。逮捕はおろか、身柄を拘束することもできない。

 その夜、かつて美保が殺害された倉庫に伏見を呼び出した小牧。黒幕とされる「先生」と繋がっていることを突如暴露し、「美保さんを殺した」と自白する。左腕には一連の事件現場に残されていたマークのタトゥー、右腕には大きな傷痕、手にしていたのは、美保の血痕が残る遺留品……。小牧が、美保を殺害した犯人であると断定するには、揃いすぎるほど証拠が揃っていた。

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