『レッドアイズ』小牧(松村北斗)は本当に“真犯人”なのか? 残された謎を徹底検証
それでも、小牧が犯人であるはずがない、一連の行動には何か理由があるはずだと、どうしても矛盾を探してしまう。もっとも現時点で「小牧が犯人ではない」と証明できるものは何もない。けれど、その仮説を強化する要素は、いくつか浮かび上がってくる。
例えば、美保を殺害した犯人は犯行時、手袋を装着していた。柄の部分に小牧の指紋が付着しているというのは、どうも合点がいかない。小牧がいかに天才であるかを知っているからこそ、疑わしいのだ。また、小牧が犯人なのだとしたら、涙ながらの自白にも違和感がある。伏見への後ろめたさからだとすれば、もっと早くに罪を告白していたのではないだろうか。なにより、これまで行動をともにしてきた伏見らが、右腕の傷や左腕のタトゥーに気付かないはずがない。
小牧がどれほど伏見に感謝し、信頼を寄せているかは、悠香(森田望智)の一件で小牧自身の口から明かされている。虚ろな目で語られた倉庫での自白よりも、悠香に語った言葉のほうがずっと信じられる。そして小牧の信頼は一方通行ではなく、伏見からも寄せられていたはずだ。
そうなるともうひとつ、大きな疑問が浮かび上がる。小牧を撃ったのは本当に伏見なのだろうか。もし撃ったとして、伏見は逃げるような男ではない。本作で描かれてきた“伏見響介”と大きく矛盾してしまう。ラストシーンで走る伏見は、逃げているのか、追われているのか。それとも、どこかへ向かっているのだろうか。
発砲音のあと、KAT-TUNが歌う主題歌「Roar」が流れ始める。混乱と動揺のKSBC、小牧のもとに駆け付ける湊川(シシド・カフカ)、長久手(川瀬陽太)、姉川(長田成哉)、夜の街を走る伏見……無音の演出がより一層、緊張感と臨場感を増す。
次週、いよいよ最終回を迎える『レッドアイズ 監視捜査班』。鳥羽と伏見、そして小牧の関係は。奥州(矢島健一)が頑なに隠す「B2ファイル」と、一連の事件の関連は。果たして、鳥羽の目的は一体なんなのか。謎は、まだまだ残されている。すべてが回収されるそのときまで、一瞬たりとも目が離せない。
※高橋ひかるの「高」はハシゴダカが正式表記
■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。Twitter
■放送情報
『レッドアイズ 監視捜査班』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜22:54放送
出演:⻲梨和也、松下奈緒、趣里、シシド・カフカ、松村北斗(SixTONES)、高橋ひかる、木村祐一
脚本:酒井雅秋、福田哲平、まなべゆきこ
音楽:カワイヒデヒロ
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:尾上貴洋、茂山佳則(AX-ON)
演出:水野格、長沼誠ほか
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
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