『ボス恋』中沢、『知ってるワイフ』津山ら、1月クールドラマで目立った“2番手”の存在
2021年1月クールのドラマが続々と最終回を迎えている。恋愛ものが概ね好調な傾向にある昨今、あわせて話題に登るようになったのが、“2番手キャラ”の存在だろう。
恋愛ドラマの多くは、ヒロインが恋する相手と両思いになる様子が描かれる。そしてそこに現れる恋敵。ヒロインの恋が思うように進まない時にはそっと手を差し伸べ、仕事で落ち込めば慰めに来てくれる。時にヒーロー以上にヒロインに尽くす存在であることから、彼らたちの恋が成就しないことに視聴者は歯がゆい思いをすることもあるだろう。
“2番手キャラ”が異常に盛り上がりを見せた1月期クールのドラマ出演陣の中から、特に存在感を示した登場人物について言及したい。ノミネートは以下の通り。
中沢涼太(間宮祥太朗)
『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系、以下『ボス恋』)
津山千晴(松下洸平)
『知ってるワイフ』(フジテレビ系)
等々力比呂(笠松将)
『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系、以下『きみセカ』)
渉周一(東啓介)
『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系、以下『ウチカレ』)
『ボス恋』の中沢は言わずもがな、あの真っ直ぐな瞳と“ドS先輩”な性格にも関わらず、奈未(上白石萌音)のために夜通しブレスレットを探す健気さや、奈未と同じ部屋に宿泊が決まると「もしお前が俺の彼女だったら、俺はお前が他の男と泊まるのは嫌だ」と伝える紳士ぶりに反響が寄せられていた。いわゆる“ツンデレ”な姿に悶絶した視聴者も多いだろう。中沢を演じた間宮は、前のクールでも『#リモラブ 〜普通の恋は邪道〜』(日本テレビ系、以下『リモラブ』)の五文字順太郎役で、奇しくも2クール連続で2番手キャラを務めることとなったのだ。人の懐にスッと入って気持ちを盗んでいくような間宮の芝居は、同役で大いに真価を発揮した。多くの視聴者が、“ツンデレ”中沢の魅力にハートを盗まれただろう。
さらに『スカーレット』(NHK総合)、『リモラブ』とマイルドな役が続いた松下が久しぶりにグイグイとくる男らしさを見せたのが『知ってるワイフ』。松下演じる津山は、ヒロインの澪(広瀬アリス)を何度もデートや食事に誘い徐々に距離を縮める。さらに告白して付き合うところにまでこぎつけ、一時は本命へと上り詰めた。しかし澪は、元春(大倉忠義)が忘れられずあえなく敗退。振られる時でさえも、入った喫茶店で澪の好物のいちごのパフェを頼むなど最後まで気遣いを忘れない。まさにミスターパーフェクト。澪を奪われた苦しみで激昂するシーンでは、松下は男の友情と恋人への愛が入り乱れた複雑な感情を拳に乗せてぶつける。