戸田恵梨香、『俺の家の話』で芸達者ぶりがさく裂! さくらの奥深くに忍ばせる“強さ”

戸田恵梨香、『俺の家の話』での芸達者ぶり

 長瀬智也主演、宮藤官九郎脚本で贈る連続ドラマ『俺の家の話』(TBS系)。タイトル通り、長瀬演じる観山寿一の“家族”の話が物語の中心であるが、そんななか“部外者”として最後まで観山家に出入りしているのが、戸田恵梨香演じる志田さくらだ。後妻業を思わせるミステリアスな登場から、目を輝かせて寿一に「好き」と乙女心全開につぶやくなど「同一人物か?」と思わせる相変わらずの芸達者ぶりを披露している。

 放送前の記者会見で戸田は、さくらという役について「監督やプロデューサーさん現場で話をしているのですが、撮影に入っても、さくらがどんな人物なのか分からない」と話しており、「あえていうなら」と前置きし「断片的で多面的」と表現していた。

 物語のスタート時、人間国宝である観山寿三郎(西田敏行)の介護ヘルパーとして登場したさくらは、寿三郎から結婚を申し込まれ、「遺産を譲渡すると」宣言された。素性の知れない女性と結婚し、さらに遺産まで譲渡するという寿三郎の行動に納得できない寿一の弟・踊介(永山絢斗)は、インターネット上でさくらのことを調べると、資産家老人をカモにする後妻業の女だと揶揄されている書き込みを見つけ、家族から疎まれる存在になる。

 しかし、そこからさくらは少しずつ変化を見せ始める。まずは、寂しい老人の世話をしてなぐさめ、それに見合った対価をもらっている」とお金への執着を見せつつ、息子の養育費に行き詰っていた寿一には、あっさりお金を貸してくれるのだ。この時点で、寿一への好意的な描写はなかったので、まだなにか裏があるのかも……という含みはあったが、その後の寿一の家族に対する男気ある行動を見ていくうちに、徐々に寿一を見るさくらの目の輝きが変わっていくことが実感できる。こうした戸田の非常に繊細な芝居は多くの視聴者を惹きつける。

 そして第4話では、寿三郎のエンディングノートにあった「ビューティフルライフロケ地めぐり」の途中に倒れてしまったさくらを、寿一が“山賊抱っこ”したことで、さくらの恋心のスイッチがオンに。第5話では、ついに寿一に「好き」と告白してしまう。この時のさくらの乙女心が爆発したような表情は、物語がスタートしたときのさくらとはまさに別人のような佇まいだった。

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