『俺の家の話』介護の“覚悟と苦悩”描いた第3話は好エピソードに ドラマのスタイルも変化?

『俺の家の話』が描く介護の“覚悟と苦悩”

 さて、これまでの2回は能の演目にひっかけた描写が登場したわけだが、この第3話ではとくにフィーチャーされる演目はなく、明確にドラマのスタイルの変化が見られた。代わりに付け加えられていたのは、さくらが自身の過去を語るシーンで、能のテイストで再現されるというユニークな描写。これは実に興味深く、『タイガー&ドラゴン』(TBS系)で落語の演目の世界を再現していく描写を連想させるものがある。また、寿一が能に必要な体幹をプロレスに応用するさまといい、能とプロレスという、このドラマを形づくる設定が実に有意義に機能していたといえよう。

■久保田和馬
1989年生まれ。映画ライター/評論・研究。好きな映画監督はアラン・レネ、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『俺の家の話』
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:長瀬智也、戸田恵梨香、永山絢斗、江口のりこ、井之脇海、道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、羽村仁成(ジャニーズJr.)、荒川良々、三宅弘城、平岩紙、秋山竜次、桐谷健太、西田敏行
脚本:宮藤官九郎
演出:金子文紀、山室大輔、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:勝野逸未、佐藤敦司
編成:松本友香、高市廉
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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