木月あかり、ドラマ初出演『おちょやん』で“いけず”な存在感 杉咲花との共闘に今後も期待

木月あかり、『おちょやん』で存在感

 木月あかりは、華やかな弥生の意地悪な面だけでなく、女優という職業にプライドと責任を持つ強さと弱さを見事に表現していた。その魅力が溢れていたのは、撮影に間に合わないから先に髪を結ってほしいと必死に美粧部へ飛び込んできた場面だ。誰も順番を譲ってはくれず、困る弥生い救いの手を差し伸べたのが千代。千代は見習いながら器用に仕上げるのだった。

 そして翌日、千代は弥生が自分の出番を譲ってくれたおかげで久しぶりに撮影現場に立つことができた。「これで貸し借りなしや。昨日のことはほんまに助かったわ。おおきに」と、ピンチを助けてくれた千代を認める懐の深さもかっこよく、中に入ってしまえばそれなりに大部屋も居心地よくなるのかも? と思えるほどだ。第35話の最後にも千代と弥生が仲良く(?)演技合戦を繰り広げているシーンが映し出されていた。

 「この世界で生きていく覚悟があるなら遠慮しては駄目。使えるものは使いなさい」「私たちは自由なのよ」と名言を残して百合子は駆け落ちしてしまったが、千代も弥生も彼女の穴を埋めるべく、鶴亀撮影所で奮闘していくのだろう。千代の女優としての成長と共に、弥生を演じる木月あかりに今後も注目だ。

■池沢奈々見
恋愛ライター。コラムニスト。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥、中村鴈治郎、名倉潤、板尾創路、 星田英利、いしのようこ、宮田圭子、西川忠志、東野絢香、若葉竜也、西村和彦、映美くらら、渋谷天外、若村麻由美ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/

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