田所あずさ、憧れの『犬夜叉』ワールドへの思い 第1話の台本を読んで「すごく不思議な気持ちに」
高橋留美子原作のTVアニメ『犬夜叉』の次の時代を描いた『半妖の夜叉姫』が、毎週土曜17時30分より読売テレビ・日本テレビ系で放送中だ。
本作の主人公は、妖怪と人間の血を引く半妖のとわ、せつな、もろはの3人。とわとせつなは殺生丸の双子の娘、もろはは犬夜叉とかごめの娘であるが、彼女たちは親の顔を知らずに育った。四魂の玉が消滅し、平和になったはずの戦国の世で何が起きたのか。少しずつ謎が明らかとなり、物語はますます盛り上がりを見せている。
今回リアルサウンド映画部では、もろはを演じる声優・田所あずさにインタビューを行った。【インタビューの最後には、動画コメントあり】
役が決まったときは「天にも昇る気持ち」
――犬夜叉とかごめの子供であるもろはを演じている田所さんですが、声優という仕事に興味を持ったきっかけが『犬夜叉』だったんですよね。
田所あずさ(以下、田所):そうなんです。大好きな作品だったので、オーディションの話をいただいた時は手が震えて。まず『犬夜叉』に新しい展開があること、さらに犬夜叉とかごめさんの子どもがいることに驚きました。
――オーディションの手応えはいかがでしたか?
田所:全力で演じたつもりだったんですが、絶対に受かりたいと思っていたからこそ、後から不安になりました。なので、決まった時は信じられなかったです。天にも昇る気持ちでした。
――戦国時代に行けるかもと思って、井戸に飛び込んだことがあるとか。
田所:すでに埋まっている井戸だったので幸い怪我をせずに済みましたが、思いっきり飛び込みました(笑)。
――そんな田所さんがもろはとして、時代樹のトンネルを通って現代にタイムスリップしたこともそうですが、演じていて感慨深いシーンはありましたか?
田所:特定のシーンではないんですが、第1話の台本です。昔はアニメとして完成した映像を観ていただけに、『犬夜叉』のキャラクターたちが喋る台詞が載った台本を読めていることに感激で。オンエアはリアルタイムで自宅から観ていたんですが、テレビから聞こえてくる犬夜叉たちの声で青春時代を思い出し、さらに後から自分の声も聞こえてくるという。すごく不思議な気持ちになりましたね。
――中でも一番好きだったキャラクターが殺生丸だと伺いました。殺生丸の魅力は?
田所:まず殺生丸様は圧倒的に顔が良い(笑)。最初は冷徹な感じで人間のことも嫌っていたのに、りんちゃんと出会ってから徐々に優しさが垣間見えて。多くを語らない分、もしかしたらこう思ったんじゃないかな? と妄想が膨らむんですよね。だけどたまに「りんの命と引き換えに得るものなど何もない」とはっきり言ったり、そういうところが素敵です。
――また、田所さんは『犬夜叉』で琥珀の声を務めた矢島晶子さんに憧れて声優を目指したとのこと。矢島さん演じる琥珀に惹かれた理由を教えてください。
田所:琥珀くんはたくさん辛い目に遭ったが故に、自分を犠牲にして無茶しがちなイメージがあって。矢島さんがそんな琥珀くんを演じることで、より哀愁を帯びるというか。見ていて何とかしてあげたい! と思うようなお声だなと。
――矢島さんから影響を受けた点はありますか?
田所:矢島さんの声とお芝居に惹かれた一番の理由は、普通の日常会話であってもその子がどんな人生を歩んできたかが伝わってくるからなんです。私もそんな声優になりたいなと思って、一度だけ矢島さんにお会いした時に「自分が理解できない思考を持っている役柄とどう向き合っていますか」と質問したことがあります。
――どんな答えが返ってきましたか?
田所:「私も分かんないんだよね」と言ってくださったんです。分からないからこそ、お話から演じるキャラクターの気持ちを考え続けたり、同じ行動を取ってみたりすると。矢島さんも実際、裕福な家庭に育った子を演じるときに、すごく高いホテルに1週間くらい泊まったことがあるみたいで(笑)。分からないことも認めた上で、それでも役に近づこうとする姿に感動しましたし、私も諦めずに演じる子の気持ちを理解しようと思いました。