新垣結衣×星野源が語る、『逃げ恥』新春SPに込めた願いと祈り 「ちょっとした活力になれば」

新垣結衣×星野源が『逃げ恥』に込めた願い

 『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系、以下『逃げ恥』)待望の続編、『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBS系)のオンエアが、2021年1月2日に迫っている。

 雇用関係としての契約結婚からスタートしたみくり(新垣結衣)と平匡(星野源)の共同生活は、やがて話し合いを重ねていくうちに、2人ならではの夫婦の形を見つけていく。価値観が多様化していく現代において、自分にとって心地いい環境は自分で作っていく……そんなヒントを教えてくれる『逃げ恥』は、多くの視聴者の心をつかんだ。

 新春スペシャルでは、なんと2人の間に新しい命が誕生。さらに、私たちと同じ2020年を生きる2人の姿が描かれるという。連ドラから早4年、私たちを取り巻く社会はますます問題が山積みに感じられる。果たして、どんなヒントを見せてくれるスペシャルドラマに仕上がっているのか、期待は高まる一方だ。

 そこで、今回は新垣と星野が揃ってインタビューに登場。改めて『逃げ恥』という作品への想い、4年ぶりにみくりと平匡を演じてみた感想、そして今回のスペシャルドラマの見どころについて聞いた。

「『逃げ恥』は、今の自分がいるきっかけとなった作品」

――視聴者にとって待望の続編決定ですが、おふたりは、その知らせを聞いた感想はいかがでしたか?

新垣結衣(以下、新垣):連ドラが終わった直後から「次をやりたい」という声はあって。“いつかな? いつかな?”と思っていたので、“ついにきた!”という思いです。

星野源(以下、星野):本当に「やるかも…」「やらないかも?」というのが何年も続いてたので(笑)。いろんなところから「やるんですか?」と聞かれても「本当にわからないです」って心から答えていて。今回、本当に決まったのも、最近だったよね?

新垣:本当に「やるの!?」って(笑)。

星野:「多分やると思います」みたいなのがカチッとしてきたのが、2020年の真ん中ぐらいだったような気が……。ちょうどそのとき僕は『MIU404』のドラマを撮影しているときで。スケジュール的に過酷な撮影が続いていたタイミングではあったので、“これが終わったら『逃げ恥』があるんだ”という思いで、頑張れていたという記憶がありますね。『逃げ恥』は、とても楽しい現場の思い出があったので。そう思っていたら、今回のスペシャルドラマはスケジュール的に過酷でした(笑)。

新垣:ギュギュッとしていましたからね(笑)。あとは4年という月日が経っているので、こちらとしてもどうなるのか予想がつかないところもあって、個人的にはそれが楽しみでもあり、ちょっと不安でもありました。でも『逃げ恥』の世界というか、みくりと平匡がまたどうやって新しい壁に向かっていくのかは、私自身も見てみたい気持ちがあったので嬉しかったです。

――2020年には、『逃げるは恥だが役に立つムズキュン!特別編』の放送もありました。リモート「恋ダンス」も話題になっていましたね。

新垣:何年経っても楽しんでいただけるのは、本当にありがたいことだなと改めて思いましたし、あの時期はやれることがあるっていうのが嬉しくて。リモート「恋ダンス」も一生懸命やりました。

星野:連続ドラマの放送が終わってから、何回か年末年始の再放送をされていたので、毎週しっかりやっていく『ムズキュン!特別編』がオンエアされると聞いたとき「大丈夫かな? もう飽きられてないかな?」なんて思っていたんですけれど、予想を上回る反響でしたね。結衣ちゃんが言っている通り、やっぱりちょっと塞ぎ込んでいるような状況ではあったので、みなさんに喜んでいただけたことがとても嬉しかったし、こちらも元気をもらった感じがしました。

――改めて、おふたりにとって『逃げ恥』は、どんな作品でしょうか?

新垣:以前、連続ドラマをしていたときにも話していたと思うんですけど、本当にいろんなパーツというか、パズルのピースがカチッとハマった作品だったなって。作る側としてもすごく楽しんでいたし、観てくださっている方々も本当に楽しんでくださって、より多くの人たちに受け止めてもらえたっていうのは、とても嬉しいことでした。

星野:ひと言で言えない感じはあるんですけど、今の自分があるのはやっぱり『逃げ恥』があったからだと思っています。役者のお仕事も、音楽家としても「恋」という主題歌を作ったことで多くの方に認知してもらえて。『逃げ恥』を経ていろいろなことができるようになったので。“今の自分がいるきっかけ”となった作品、という感覚がすごくあります。

「ダイニングテーブルで向かい合ったとき、“ああこれだ、『逃げ恥』だ”って」


――連続ドラマに引き続き、スペシャルドラマも野木亜紀子さんが脚本を担当されました。台本を読んでみたときはどのように感じられましたか?

新垣:今回は、かなり早い段階から物語の流れを見させてもらっていたんですけど、原作の漫画を基にしながら、今この現代と同じ時間を過ごしている、ドラマオリジナルな部分との話のつなぎ方は、さすが野木さんだと思いました。

星野:これは多分、野木さんは言ってほしくないかもですが、最初の方はしっかりセリフが割り振られている台本じゃなくて、本当にプロットの段階だったんですよ。「ここはこういうふうになる、多分……」みたいな野木さんの気持ちがト書きに入っているところもあって台本が製本されるまでの稿をすべて見るというのはなかなかないので、すごく面白かったですね。「平匡、ここで◯◯をする」と説明されていたシーンが、どんどんセリフや状況が加えられて深みが出てくる流れも興味深かったです。

新垣:本当に初稿の段階では盛りだくさんな内容だったんですが、放送時間の都合上どんどん削られていって……。

星野:それがもったいないと思いつつも、それでも2時間25分スペシャルなので、相当盛り盛りになっていると思います。最初2時間ぐらいでしたよね? これ以上はどうしても削れなかったんだなっていう(笑)。

新垣:そうです。2時間半全部、とっても大事なシーンをぎっしり撮りました。

――プロデューサー、監督を始めとしたスタッフ陣も再集結ですが、現場の様子はいかがでしたか?

星野:スタッフのみなさんが同じというのは、本当に「帰ってきた」という感じがありましたね。僕は、みくりさんよりも早く現場入りして、最初のシーンが沼田(古田新太)さんと日野(藤井隆)さんとのシーンだったんですよ。連続ドラマのときにも、この2人のアドリブに笑ってNGを出してしまっていて。そのNG集が何回も見返すほど個人的に好きだったんですが、“今度こそ絶対に耐えるんだ”と思って臨んだのに、1秒も持ちませんでした(笑)。2人の面白さが、また新しいステージにステップアップしていて。その部分も、期待して観てもらいたいなと思います。

新垣:私はクランクインの日、平匡さんと一緒のシーンではあったんですけど、ほとんどセリフがなかったので、正直「帰ってきた」とはちょっと感じにくかったんです。でも、監督やスタッフさんたちから「平匡さんとみくりさんでした」と言ってもらえて「そうなんだ」とホッとしたのを覚えています。自分自身で実感したのは、津崎家のダイニングテーブルで向かい合って話しているシーンでした。「ああ、これだ。『逃げ恥』だ」って。

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