日向坂46 渡邉美穂が語る、グループを飛び出して気づいたこと 「もっとお芝居の仕事がしたい」

渡邉美穂が語る、演技への強い思い

「自分もキュンキュンしちゃった」

ーーお芝居をするために、嬉しかったことや悲しいことがあったらずっとメモをしていたそうですね。メモが本作の演技に役立った場面はありましたか?

渡邉:たくさんあります。那沙ちゃんは、心臓病で入退院を繰り返しているという役柄で、「なんで私が病気になったんだろう」と那沙ちゃんの感情がこみ上げるシーンがあるんです。私自身は大きな病気などにかかったことはないんですが、生きていると誰しもが「なんで私だけ?」とか「なんで、私がこんな目に?」というやり切れない思いを抱えた経験ってあると思うんです。私も過去のメモを振り返ると、そう思っていた時期があったことに改めて気づいたりして。メモがあると、当時のことがより鮮明に蘇ってくるので、演技をする上でも気持ちを乗せやすかったです。

ーー当時を振り返る作業は、渡邉さんの中で苦ではなかったですか?

渡邉:私は、幸せの方が怖いんですよ。幸せって永遠ではないじゃないですか? あとで落ちることを考えたら、私は安定かちょっと苦しいぐらいの間をさまよって、たまにある幸せをすごく喜べたらいいと感じてしまう人間なんです(笑)。だから、あまりにもいいことが続きすぎるとちょっと怖くなります。もっと気にせず生きていいのかなと自分でも思うんですが(笑)。

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ーー渡邉さんがこれまで出演してきた舞台『あゆみ』やドラマ『DASADA』(日本テレビ系)とは異なり、本作は初めてのラブストーリーであり、演じている那沙は、難病を抱えているシリアスなキャラクターです。これまでとは異なる作品、キャラクターを演じることは難しかったですか?

渡邉:これまでで一番難しかったかもしれません。癖の強いキャラクターを演じることが今までは多かったんですが、那沙ちゃんは言ってしまえば普通の子なんですよ。別に何かしらが突出しているわけではなくて、優しくて、天真爛漫なところもあるごく普通の女の子。その魅力を表現するのは難しかったです。大きな病気を経験したこともなかったので、最初はどうしようと思ったんですが、本当に周りの方々に助けてもらいました。自分一人ではできなかったです。セリフを言うときもニュアンスをカットによって変えたりしたんですが、その際も「そのニュアンスは違う」ということをはっきりと言ってくださる方がいらっしゃったので助かりました。客観的に見てくれる誰かがいることは自分にとってすごく大きかったです。

ーー那沙を演じる上で気をつけていたことはありますか?

渡邉:那沙ちゃんは、しっかり自分の意思を持っていて、あまりモジモジするようなタイプの女の子じゃないんです。だから、秀星くんと一緒にいるときは出会いの場面から彼の目をしっかり見ることを意識していました。ずっとガン見していました(笑)。

ーー視聴者の方に本作のここに注目してほしいというポイントはありますか?

渡邉:「2人とも絶対お互い好きじゃん」ってほかの人が言いたくなるような男女の雰囲気ってあるじゃないですか。自分で言っていて恥ずかしいんですが(笑)、作品を観たときに秀星くんと那沙ちゃんに自分もキュンキュンしちゃったんです。そんな雰囲気が観てくださる方にも伝わったら嬉しいです。

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