『万引き家族』での演技アプローチとの違いとは? 城桧吏が明かす『約ネバ』レイの役作り
『週刊少年ジャンプ』で連載された人気コミックを実写映画化した『約束のネバーランド』が現在公開中だ。浜辺美波を主演に迎え、『ROOKIES-卒業-』『僕だけがいない街』の平川雄一朗が監督を務めた本作は、「楽園」だと信じていたが、実は「鬼に献上する食用児を育てる農園」だった“孤児院”に暮らすエマ、レイ、ノーマンの3人が、孤児たち全員を引き連れ、無謀ともいえる脱獄計画に挑む模様を描いたファンタジーだ。
原作でも人気の高いキャラクターであるレイを演じたのは、第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した是枝裕和監督の『万引き家族』で強烈な印象を残した城桧吏。自身でも「難しかった」と語るレイの役作りから、真っすぐな性格の主人公・エマを演じた浜辺美波や孤児院を管理するイザベラを演じた北川景子の印象、そして『万引き家族』と『約束のネバーランド』での演技のアプローチの違いについてまで、話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「プレッシャーがある中、自分ではやり切った」
ーー原作はアニメ化もされた大人気コミックです。もともと原作も読んでいたんですか?
城桧吏(以下、城):今回の映画でレイ役に選ばれる前から原作は読んでいました。「この作品面白いな」と読んでいる途中にお声をかけていただいたのでうれしかったですし、ワクワクしました。原作のストーリーをどこまで映画化するのか、どういうふうに撮影するのかも気になりましたし、「ここは難しそうだな」といったことを考えたりしました。
ーーレイは原作の中でも人気キャラクターです。
城:原作漫画を読んでいて、レイが本当にカッコよくて。僕の中で一番の推しキャラというか、好きなキャラクターだったので、自分が演じられると聞いたときは本当にうれしかったです。「これは現実なのか」と思いました。でもその反面、レイは難しい役というか、ちょっとクールで、周りの子どもたちよりも大人な性格なので、どう演じればいいのかという不安な気持ちもありました。
ーー人気キャラクターを演じる上でのプレッシャーもあったと思います。
城:プレッシャーだらけでしたね。やっぱり難しい役だから、どう演じたらいいか悩んだり……。僕自身は明るくて、すごくエマに近い性格なんです。だから、クールな役をどう演じたらいいのかは、監督と一緒に考えました。監督からは「この映画を観てレイの感じを掴んで」と言われたり、アドバイスをいただいたりして、一生懸命勉強しました。プレッシャーがある中、自分ではやり切ったと思います。
ーーちなみにどういう作品を参考にしたんですか?
城:『スタンド・バイ・ミー』や『クローズ』などです。特に『スタンド・バイ・ミー』はメインキャストがみんな子どもなので、一番掴みやすかったです。レイを理解するのにすごく助かりました。
ーーレイは孤児院で暮らす子どもたちの中でもクールで大人っぽい少年ですよね。実年齢よりも年齢が上のキャラクターを演じる難しさもあったのではないでしょうか? エマ役の浜辺美波さんもノーマン役の板垣李光人さんも、実際は城さんより年上ですし。
城:演じるのは楽しかったんですけど、設定が15歳で、しかもレイはエマたちよりも大人な性格だったので、それは本当に大変でした。監督からは「20歳ぐらいのイメージ」と言われていたんです。「だからいつも堂々といて」と。自分の年齢より上の役を演じるのは難しかったですね。
ーー浜辺さん、板垣さんとは何か一緒に役作りをすることはあったんですか?
城:撮影が始まる1カ月ぐらい前から、リハーサルをやりました。最初のうちは(板垣)李光人くんと2人でリハーサルをして、監督も含めて一緒に考えながら、「ここはこうしよう」と決めていったり。あと映画の終盤のシーンは、浜辺さんと監督と一緒に動きなども細かく決めていきました。