杉咲花、『おちょやん』本格登場週で示した主演としての強さ ドスの利いた台詞も楽しみの一つに

『おちょやん』杉咲花、主演としての強さ

 『おちょやん』(NHK総合)のヒロインを務める杉咲花が、第3週「うちのやりたいことて、なんやろ」より本格登場した。

 第1週から第2週までの2週間、子供時代の千代を演じてきた毎田暖乃からバトンを託された杉咲。第3週は芝居茶屋の岡安に来て8年、年季明けの18歳を迎えようとする千代が、女将のシズ(篠原涼子)や女優の高城百合子(井川遥)らと出会い成長していく、改めての千代という人物紹介を兼ねた週でもある。

 杉咲は自身がパーソナリテイを務めるラジオ『杉咲花のFlower TOKYO』(TOKYO FM)にて、最近は必ず『おちょやん』の話題に触れている。12月13日のオンエアは、第3週に入る直前の日曜日ということもあり、リスナーからの感想メールに浸りながら、1年以上前から準備してきた『おちょやん』についてのエピソードを語っていた。リスナーからリクエストされたウルフルズ「笑えれば」は、杉咲もお気に入りのナンバー。口上が印象的な第1話冒頭の撮影で、毎田がトータス松本の膝に座りながら〈とにかく洗えれば〉と歌っていたというほっこりする裏話を明かしつつ、クランクインの半年ほど前から重点的に稽古したのが関西弁と所作だったという。

 千代の大阪言葉や身のこなしは、8年の月日の中で、おちょぼを卒業したお茶子としての成長を分かりやすく体現したものである。家でも浴衣や着物を着て過ごし、現場ではお芝居以外でも関西弁を使うようにしているという杉咲(『連続テレビ小説 おちょやん Part1』より)。道頓堀の街中を座布団を持って忙しなく走る姿、“はい”ではなく「へえ!」と画面いっぱいに笑顔を振りまく千代は、まさしく朝のお茶の間に元気を与える“朝ドラヒロイン”だ。

 第2週でかめ(楠見薫)が千代にお茶子としての厳しさを教えるため、捲し立てた長ゼリフを代表するように、『おちょやん』には激しい口調のシーンも数多く存在する。分かりやすい例を挙げれば、芝居小屋で度々火花を散らす福富のお茶子、椿(丹下真寿美)、ぼたん(沢暉蓮)、あやめ(藤本くるみ)との言い争いだ。シズの不義密通を街中に言いふらした椿らに、千代が「岡安には火のないとこに煙立たすようないちびりは、一人もいてしまへんよって」と言い負かすシーンは観ていても爽快な一本。相変わらず口が達者で機転が効く千代であり、関西弁特有のドスの利いた杉咲はなかなか見たことのない新鮮な姿である。

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