『おちょやん』篠原涼子×井川遥が体現した“大人の別れ” 次週はテルヲ再登場で波乱の予感

『おちょやん』篠原涼子×井川遥が体現した“大人の別れ” 次週はテルヲ再登場で波乱の予感

 『おちょやん』(NHK総合)第15話、お茶の間にちんどん屋が演奏する「カチューシャの唄」が切なく響いた。

 大正13年の秋、千代(杉咲花)は下働きを卒業して立派なお茶子に。年明けには奉公の期間を終える18歳の誕生日が控えていた。そんな折、岡安の女将・シズ(篠原涼子)から年季が明けた後の進路について問われ、それまで生きることに背一杯だった千代は初めて“自分のやりたいこと”に向き合う。どんなに考えても一向に答えが見つからない千代にヒントを与えたのが、憧れの女優・高城百合子(井川遥)とえびす座の看板歌舞伎役者・早川延四郎(片岡松十郎)だ。百合子は“活動写真”と呼ばれていた映画の世界に誘われ、延四郎は役者を引退し故郷へ戻るため、2人はそれぞれ違う理由から大阪・道頓堀を去ろうとしていた。

 千代は百合子から「そんなにお芝居が好きなら自分でやってみたら」と言われ悩むが、一方で延四郎とシズが密通しているという噂が街に流れ、岡安はピンチに陥る。シズが岡安を継ぐために修行していた時代、自分を贔屓にしてくれた延四郎は心の支えだった。けれどお茶子と役者の色恋はご法度。シズは岡安のために、淡い恋心を捨てたのだ。

 そんなシズの過去を知り、千代はようやく自分のやりたいことに気づいた。それは、シズが延四郎の存在に救われたように、自分に帰る場所を与えてくれたシズへ恩返しをすること。千代の熱意に押され、シズは大阪を去る延四郎と最後に会うことを決意する。

 シズと延四郎の2人は高級店ではなく、昔よく通っていた屋台へ。いつも厳しいシズだが、延四郎と一緒にいるときの彼女はまるで少女のような表情を見せる。20年前に駆け落ちの約束を破ったシズに、実はあの時別れ話をしようとしていたという延四郎。そんな彼の優しい嘘をお見通しのシズは、「相変わらず板の上以外では芝居が下手くそなこと」と茶化す。

「芝居茶屋の女将になったこと、悔やんだことなんか一片もありゃしまへん。せやさかい、おおきに」

 今の自分があるのは延四郎のおかげだとまっすぐ伝えるシズの瞳に迷いはない。女将としての道を選んだ彼女の意思は強かった。だからこそ、千代にも後悔のないように自分の力で道を切り開いてほしかったのだろう。

 そして、シズと同じように百合子もまた身一つで舞台役者として活躍した道頓堀を後にしようとしていた。名残惜しそうに街を見渡す百合子の旅立ちを、ちんどん屋が島村抱月率いる劇団・芸術座の公演『復活』の劇中歌として当時流行した「カチューシャの唄」で送る。毎日が賑やかで人情味溢れる大阪・道頓堀。団体客のどんちゃん騒ぎで目まぐるしい岡安とのコントラストが、シズと延四郎、そして百合子とこの街の別れをより切なくさせる。千代もまた客の何気ない一言から弟・ヨシヲ(荒田陽向)に想いを馳せてた。

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