『恋あた』2つの対比により増す切なさ 森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河の関係はどうなる?
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火曜ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)第3話は、2つのものが対比されることで切なさが増していく。
まずは、樹木(森七菜)と里保(石橋静河)の“シュークリーム”。審査会では、里保のシュークリームが圧勝し商品化を勝ち取ったが、実際に商品として品質を保ったまま店頭に並べることができるのかという配送テストで苦戦する。発売日の期日が迫るものの、なかなか配送テストをクリアできるパッケージが見つからない。異なる味、異なる素材で作ったこだわりのシュークリーム。4年間企画が通らなかった里保にとって特別なものだった。だが、ビジネスとして結果を最優先する社長の浅羽(中村倫也)は、苦肉の策として樹木のシュークリームも同時に配送テストを実施することを決意。結果、新発売のスイーツとして樹木のシュークリームが発売されることになったのだった。
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そんな試行錯誤の中で生まれたのが、樹木と里保の“友情”。ライバルとして戦った2人は、最初こそ気まずかったものの仕事にかける熱い思いは同じ。共に配送テストに挑む中で、樹木は妥協せず新商品の開発に全力をそそぐ里保のことを先輩としてリスペクトし、また里保も樹木に対して自分にはない素直さに憧れを抱くようになる。次第に打ち解け始めた2人は、お互いに似た者同士であることを実感していく。地下アイドル時代に年下にポジションを奪われた樹木と、今回台風のように現れた樹木に危機感を持った里保。「クソッ?」「クソッ!」と笑い合う姿に見ているこちらまで頬が緩む。
“仕事”と“友情”、両立しているときにはこんなに甘く楽しい日々はない。だが、それが残酷な結果をもたらす切なさを、樹木は初めて知ることになる。友情が生まれたからこそ、樹木は自分のシュークリームが商品化されることに複雑な思いを抱く。もし里保に対して何も思うことがなければ、手放しで喜んでいただろう。初めて浅羽に必要とされ、その気持ちに応えたいと作った渾身のシュークリーム。特別なものであることは樹木にとっても同じ。それが、「繰り上げ当選」とはいえ、夢にまで見た商品化。嬉しくないわけではない。だが、一緒にギリギリまで配送テストに勤しんだ里保の存在がチラつくのだ。
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そこに、輪をかけて切なくさせるのが樹木と里保の浅羽への“恋心”。浅羽はモヤつく樹木に「正々堂々と戦った」と声をかける。結果を出したのだから、素直に喜んでいいのだと。それは何事もまっすぐに突き進む樹木をまるごと受け入れてくれるような言葉。「社長のために作った」という言葉が人々の心に刺さったように。樹木の魅力は、思いのままに突き進む力にある。