『共演NG』はテレビ業界の問題点を指摘するドラマに? 秋元康×大根仁の持ち味が発揮

『共演NG』はテレビ業界の裏を描く?

 秋元康の企画・原案、大根仁が脚本・監督を務め、そして中井貴一と鈴木京香が主演を務めるドラマがスタートした。タイトルは『共演NG』(テレビ東京系)。どんな話が展開していくのだろうと、ストレートに人の関心を引く言葉選びである。

 第1話から、すぐにこのドラマが、ドラマ制作の裏側を描くものだとわかる。監督とプロデューサーたちが、芸能界に伝わる「共演NG」についての会話をする。そして、中井貴一演じる遠山英二と鈴木京香演じる大園瞳は、かつ付き合っていたが、遠山がアイドルと二股をしていたことが発覚し破局。その後、25年もの間、共演NGだったことが紹介される。このふたりの過去に、リアルな芸能界の過去のニュースが重なる。第2話では、「本読み」のシーンが出てくるというのも興味深い。

 遠山と大園のマネージャーを演じるのが、リリー・フランキーと猫背椿。このちょっと下世話な感じのキャラクターがそばにいることで、2人の俳優たちも、「クソ女」「うんこ野郎」と心の中の思いをぶちまける。お互いのうっ憤がぶつかるように、記者会見会場のホテルの前で、車が衝突するシーンでは、思わず噴き出してしまった。

 このドラマは業界の内幕ものだと書いたが、ほかにも、ドラマを作るにあたり、ショーランナー、つまり製作総指揮を迎えているという描写が興味深い。企画・脚本・キャスティング・宣伝に至るまですべてを任せられているのが、斎藤工演じる市原龍なのだが、この通称「イチリュウ」は、Netflixでドラマをあててイケイケの人物。「イチリュウ」は、ドラマの中身よりも主役2人のキャスティングの話題性を重要視しており、記者会見に至るまでをネットで中継したり、会場の裏側をカメラで追って、SNSで煽ったりしていて、この先も「イチリュウ」が、ドラマをかき混ぜそうでもあり、業界の今どきの内幕を見せてくれるだろう。

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