鈴木保奈美と鈴木京香、20数年ぶり共演で“鈴木対決” 『わろてんか』母のプライドがぶつかり合う

『わろてんか』20数年ぶりの共演で“鈴木対決”

 勘当を覚悟で藤岡屋を飛び出したてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)。駆け落ちを果たした2人は大阪の船場にたどり着いた。『わろてんか』(NHK総合)第4週「始末屋のごりょんさん」では、てんの母しず(鈴木保奈美)が藤吉の母である啄子(鈴木京香)に面会を申し出る。劇中では、「質素倹約のごりょんさん 対 豪華絢爛の奥様」というセリフがあったが、『わろてんか』のInstagramでは「大阪のご寮さん VS 京都の母」という投稿。さらには“鈴木対決”というハッシュタグも生まれ、『あさイチ』(NHK総合)恒例の“朝ドラ受け”ではゲストの二宮和也(嵐)を巻き込み、井ノ原快彦(V6)と有働由美子アナウンサーが、白熱した女の戦いに「ワクワクする」と興奮した様子を見せていた。2人の女の戦いに全国の視聴者が固唾を飲んでいたのだ。


 藤吉は、大阪米問屋の長男であり、北村家の跡取り息子。彼には楓(岡本玲)という啄子が決めた許婚がすでにいた。てんを嫁とは認めない啄子は、彼女を北村家の女中として置くことを決める。勘当とは言いながらも、娘を心配するしずは女中のトキ(徳永えり)をてんの元に送り、さらには風太(濱田岳)もてんの様子を偵察しに来る展開に。てんが窮状にあると風太から聞いたしずは、一路大阪は船場へと向かうのだった。

 質素倹約に対し、豪華絢爛。その言葉通りに、藤吉の家とてんの家の身分は違う。けれど、それぞれ暖簾に誇りを持ち、母親としてのプライドはお互いに決して譲らないのが、この対決の見所である。「京都のええとこのお嬢さんが駆け落ち。お恥ずかしい限り」「笑うだけでお腹いっぱいになるんだったらいうことあらへんな」。女手一つで北村家を切り盛りしてきた啄子は、亡き夫の芸妓遊びの経験から何度も挫折を乗り越えてきた。だからこそ、この時代ではまだご法度に近かった惚れた腫れたで結ばれようとするてんと藤吉を、すぐさま許すことができなかったのだ。


 対するしずは、飾ることのない直球の啄子からの言葉の応酬を、その柔らかい物腰で受け止め返していく。「親が思うてるより、子は強い」、新一(千葉雄大)を亡くし、しずは初めて息子に支えられていたことに気づいた。だからこそ、今度はてんを母親としてきちんと送り届けてやりたい。「ふつつかな娘どすけど、どうかこの北村屋さんで一人前に仕込んでやってください」、そう言ってしずは啄子に頭を下げる。


 船場ではごりょんさんは、女の成功の証と言われ、啄子は存分にその仕事の辛さを味わってきた。その立場をわきまえているのか問われたしずは、「それでも使い物にならんかったら、煮るなり焼くなり河原に捨ててもろても構しまへん」そう言って、啄子にてんを仕込ませることを認めさせる。なんともインパクトのあるセリフだが、じっと視線を合わせ、互いに立場を譲ることのない、息もつかせぬ“女の戦い”は、朝から緊迫した空気を全国のお茶の間に生んだ。“鈴木対決”でもある鈴木保奈美と鈴木京香の共演は、20数年ぶりとのこと。放送後、仲良く笑うInstagramでのツーショットは、ドラマとのギャップに驚く。

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